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きょうの舞台ウシュマルはメキシコのフウク地方にある。8~10世紀、マヤ文明の古典期に最盛期を迎えた。今も15以上の主要な建造物が残る。この一帯では多いときで約3万人が暮らした。ウシュマルの魅力はその優れた芸術性。一般的に多くのピラミッドは四角錐だが、ここのは四方の角が丸みを帯びている。正面にある階段は急斜面で幅が狭い。神殿の壁一面に手の込んだ彫刻が施されている。マヤの人々は山を崇めていたがウシュマルに山はない。そのため王は人工の山を作った。隣には大きな中庭を囲むように4つの建造物が建っている。壁の上部が彫刻で埋め尽くされている。こうした建築や装飾はこの地方の名を取り「フウク様式」と呼ばれる。鉄器を使わなかったマヤ文明では硬い石で作った道具で模様などを彫り上げた。
遺跡の周辺では今もマヤの末裔たちが暮らしている。主食はトウモロコシ。マヤ文明は16世紀、スペインの侵略を受けたが今も800万人以上の先住民がマヤの言葉や文化を受け継ぎ暮らしている。マヤの生活はウシュマルの遺跡にも刻まれていた。
ウシュマルの王宮の壁にはククルカンの彫刻が。ウシュマルには経済力があって理想的な神殿を作ることができた。マヤ人が築いた舗装道路サクベは都市の周辺を繋ぐことで人々が交流していた。ウシュマルは遠く離れた都市とも交流していた。交易で富を蓄えたからこそ美しい都市を建設することができた。遺跡の天井部分には赤い手形が残されている。
マヤ文明を支えたのは土だった。ユカタン半島の中でもウシュマルの周辺には肥沃な土が分布している。ウシュマルの人々は土のおかげで多くの収穫を得ることができた。生活にゆとりがあったからこそ、建築や芸術を極めることができた。
「世界遺産 聖なる山の奇岩と結界 プー・プラバート ドヴァーラヴァティー時代のセーマ石(タイ)」の次回予告。
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