きょうの舞台ウシュマルはメキシコのフウク地方にある。8~10世紀、マヤ文明の古典期に最盛期を迎えた。今も15以上の主要な建造物が残る。この一帯では多いときで約3万人が暮らした。ウシュマルの魅力はその優れた芸術性。一般的に多くのピラミッドは四角錐だが、ここのは四方の角が丸みを帯びている。正面にある階段は急斜面で幅が狭い。神殿の壁一面に手の込んだ彫刻が施されている。マヤの人々は山を崇めていたがウシュマルに山はない。そのため王は人工の山を作った。隣には大きな中庭を囲むように4つの建造物が建っている。壁の上部が彫刻で埋め尽くされている。こうした建築や装飾はこの地方の名を取り「フウク様式」と呼ばれる。鉄器を使わなかったマヤ文明では硬い石で作った道具で模様などを彫り上げた。