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北海道羅臼町。この町の子供達は夏、親元を離れて冒険に出かける。町で長年続くのがふるさと少年探検隊。知床半島の先端を目指す。
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- 羅臼町(北海道)
7月29日。出発の朝は雨が降っていた。子どもたちは5泊6日の旅をスタート。小学生を中心とする総勢29人のわんぱく隊は9km先のベースキャンプまで。中学生7人が参加するチャレンジ隊が岬を目指す。岬までは約22kmの距離。1日目は全員でベースキャンプとなるモイレウシ湾へ。チャレンジ隊はさらに2日かけて岬を目指す。羅臼では見られない夕日を見ることが目標。道なき道を進む子どもたちを支えるのが知床の自然を熟知した大人たち。子どもたちを支えつつ、子どもたちが自分自身でできると判断したら見守りに徹する。ふるさと少年探険隊ではこれまで大きな事故や怪我は一度もない。出発から9時間半で最初のベースキャンプに到着した。スタッフはすぐさま夕食の準備に取り掛かる。子どもたちは疲れ気味だったが、探検隊名物のジンギスカンをみんなで食べて英気を養った。
2日目、くもり。出発直前に雨がやんだ。チャレンジ隊にとってはここからが本番。わんぱく隊と離れ、岬を目指す。夕陽を見ることが目的だとのこと。6キロ先の宿泊地を目指す。二本滝の番屋を目指す。潮の引いた浅瀬を進む。道は作られておらず自然の中に自分の道をそれぞれが探していく。行く手で土砂崩れが発生する様子も見られ、刻々と変化する自然との戦いとなる様子も見られる。ふるさと少年探検隊にも参加したこともある羅臼町出身の森大翔だが、「いつか僕らは〜I Left My Heart in Rausu〜」は忘れられないふるさとの記憶から生まれた曲となっている。
羅臼町のふるさと少年探検隊は1981年に始まったものであり、子どもたちに知床ならではの体験をさせたいとの思いがきっかけとなった。当時教育委員会に務めていた湧坂周一さんは地元の山岳会にも所属していたが、厳しい道を進むことは子どもたちが何かを掴み取ることに繋がると考えたのだという。ゲームが流行すると子どもが外に出歩かない風潮が高まったものの野外で子どもたちを遊ばせることが重要であり、自分が育った土地を知ることで愛着を覚えてほしいと考えたのだという。のべ2000人以上が探検隊には参加し、故郷の冒険は世代を超えて受け継がれてきた。
下栃棚績さんは自身も探検隊として活動し、スタッフとして毎年探検隊を支え続けている。自分の子どもというよりも羅臼の子だと思っているが、多くの子どもが高校を卒業すると羅臼から出ていってしまうことから羅臼の良さを広めることが大切との考えがあるという。街のことを誇りに思ってもらいたいとの思いがあるという。向口尚輝さんは絶対に事故が起こらない対策は取りようがないのが事実だが、こういう環境でなくては体験できない経験を子どもたちにさせたいという考えがあり、危険な部分をなるべく排除した上でイベントは行われていると話した。あすは知床岬へ向かう。自分は好きな人はいないが夕日に向かって自分の好きな人の名前を叫ぶと結ばれると聞いたことがあると話す学生の姿も見られた。
今日はいくつもの岩場を越える最難関ルートを行く。岬を見下ろす灯台を通りその先のキャンプ地で夕日を待つ。念仏岩にやってきた。体力に不安のあった岡聡介くんもなんとか歩いてきた。崩れやすい足場では次々に落石が起きる。海岸でヒグマがこちらに気づき身を隠した。知床岬灯台へ向かった。この日は夕日は姿を見せなかった。
40年以上繰り返されてきた夏の冒険。夢のような時間はあっという間に過ぎ去っていく。ふるさと知床で変わることない営み。
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エンディング。
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2024年10月13日(1:25)