2026年10月2日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2026 ラオスに学校を 〜高校生の支援事業〜

出演者
山澤里奈 辻浩平 藤重博貴 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
イスラエル行き旅客機 緊急着陸 動機は

30日、UAEのドバイからイスラエルへ向かっていた格安航空会社「フライドバイ」の旅客機の機内の様子。機内のあちらこちらから悲鳴が上がる。ロイター通信はネタニヤフ首相の話として、乗客約170人のうちほぼ全員がイスラエル人だと伝えている。フランスのF2は当時の様子を詳しく伝えている。ドバイからテルアビブに向かっていた便は、サウジアラビア上空で航路をそれ突然降下する。高度は10360m、この時オマーン国籍とされる副操縦士がもう1人の操縦士を刺す。6分後、高度4190mまで急降下、その間に乗客が操縦室に突入し襲撃者を取り押さえる。イスラエルメディアは副操縦士が機長を刺して墜落を企てたと伝えている。負傷した機長はコックピットのドアを開け乗客たちが副操縦士を取り押さえ墜落を防いだという。航空機の位置情報などを公開している民間サイトのデータでは旅客機はサウジアラビア上空をさまようように移動、1分ほどの間に5000m以上急降下していたことがわかった。その後急上昇や急降下を繰り返しサウジアラビアの空港に緊急着陸した。イスラエルメディアは、副操縦士はサウジアラビア当局に拘束され取り調べを受けていると伝えている。副操縦士はオマーン国籍。イスラエル政府高官の話として、当局がテロ事件として対応していると伝えている。ネタニヤフ首相は、Foxニュースのインタビューで、我々も捜査の経過を注視し場合によっては捜査に関与することになる。いずれ真相は明らかになると述べる。アメリカのCNNとのインタビューでは副操縦士の身柄は今後UAEに移送されるとしている。イスラエルがUAEから捜査参加の同意を取り付けたと明らかにした。副操縦士の同期の解明が焦点となりそう。

IS対応のイラク駐留部隊 撤退完了

イラクのバグダッドではアメリカ軍主導した有志連合の撤退に合わせ式典が開かれた。イラクのザイディ首相は演説で新たな段階が始まった。イラクの主権と友好国と均衡のとれた協力関係を掲げていくと述べ、イラクの主権が回復したと強調した。集まった市民もこの時を歓迎。トランプ大統領はアメリカとイラクにとっての勝利の日。完全に壊滅した過激派組織ISへの圧倒的な勝利の日だと述べる。米軍の撤退の方針はおととし、バイデン政権のときに示されていたものの、トランプ大統領は2026年に私のリーダーシップによって終わったと自身の成果として主張している。イラク戦争から駐留を始めたアメリカ軍。駐留部隊は一時17万人まで増員されたが、イラク国内ではテロが相次ぎ米軍も標的となり多くの兵士が命を落とした。当時のオバマ大統領はイラクでの戦闘は終了したと、2010年、戦闘任務の終結を宣言し翌年の2011年12月に駐留部隊を撤退させる。しかし撤退から3年後の2014年過激派組織ISが台頭、アメリカは再び部隊を再派遣し駐留を再開させる。有志連合を主導しIS掃討作戦の支援にあたる。ISが支配地域を失ったあとも治安維持目的のため駐留を継続していたが2021年に戦闘任務の終了を宣言。以後はイラク軍の訓練や指導を行ってきた。そして2024年、アメリカとイラクの両政府はことし9月までに駐留部隊の任務を完了させると発表していた。

解説「完全撤退で広がる懸念」

イラク国内からは2011年に軍撤退、2014年に再駐留させることになった当時のアメリカの判断を踏まえ、2011年の失敗を繰り返すのではという懸念も出ている。現在ISは弱体化しているものの一部の勢力は残っている。最近もISメンバーと治安部隊の間で衝突が起きていた。現在アメリカと衝突が続いているイランの存在も懸念材料、イラクにはイラン支援の複数の民兵組織がいる。アメリカによるイランへの軍事作戦開始以降、民兵組織がイラク駐留の米軍施設などに攻撃を繰り返してきた。米国国防総省は今後の脅威としてISだけでなくイランの支援を受ける民兵組織も指摘している。イラクの治安部隊のアドバイザーのジャシム・アルバハドリ氏は過去20年の教訓は治安の空白が極めて危険になり得るということと述べる。

“無人機・AIなど使用の作戦担う「自律戦闘軍」設立へ”

アメリカのヘグセス国防長官はSIを使って標的を狙うドローンは戦場における最大の革命だと述べ、迅速に適応していくため、無人機やAIなどを使った作戦を担う「自律戦闘軍」を設立すると明らかにした。ウクライナや中東での戦闘ではAIやドローンを活用した戦い方が注目されている。アメリカが今後も優位性を確保する必要があるとして、実業家のイーロン・マスク氏や新興防衛企業の創業者らを招き新たなプロジェクトを立ち上げ将来の戦闘でどのような能力が必要か検討していく方針を示した。新たなプロジェクトでは120日以内に報告書をまとめるという。

辻’s ANGLE
“プロパガンダ” 報じる葛藤

元ロシア国営テレビ記者のジャンナ・アガラコワさんは4年前にロシアのウクライナ侵攻に抗議して辞職した。ロシアのプロパガンダについてアガラコワさんは「妥協の連鎖でした。プーチン政権のメディアが使う『新しい言葉づかい』に同意しなければならなかった」、「指示はすべて口頭だった」、「ヨーロッパやアメリカについては悪いニュースだけを報じるようになった」などと話した。アガラコワさんは国営テレビに務めていた当時の映像をもとにドキュメンタリー映画「さよなら、私のロシア」を制作した。アガラコワさんは娘からある日「またプロパガンダ作成?」と声をかけられた。アガラコワさんは「わが子に“プロパガンダを伝えている”と言われてもう見て見ぬふりはできないと思った」、「“ロシアは特別な国”“戦争を始めたことはない”と教えられてきた」などと語った。

WOW!The World
改修中のバッキンガム宮殿から…

改修工事中のイギリス・バッキンガム宮殿で思わぬ発見があった。宮殿の床板や壁を剥がしてみると古びたブーツ、馬券、1889年の新聞の切れ端などがあった。10年の歳月をかけた改修工事は来年の春に終わるという。

カピバラ3兄弟 大人気!

オーストラリア・キャンベラにシドニーの動物園からやってきた1歳のカピバラ3兄弟。先週、一般公開が始まると早速動物園のアイドルになっているという。

誕生 キリンの赤ちゃん “最初の一歩”

アメリカ・フロリダ州の動物園で絶滅危惧種のマサイキリンの赤ちゃんが6年ぶりに誕生。生まれてから30分、1人で立ち上がった。

(ニュース)
イエメン “12万人以上が避難” 深刻な事態に

内戦が続くイエメンでは、イランの支援をうけるフーシ派がモカ、バーブルマンデブ海峡の島を制圧。国連はイエメンの12万人以上が避難しているという。ジブチ・オボックの避難民キャンプの紹介。国連などによると先月に入りイエメンから避難する人が増加。多くの人が厳しい暑さに耐えながら過ごしていた。プライバシーがない状態なので女性は暗闇で着替えざる得ない、怖いという。ムフタル・ムハンマド・アリさん45歳はバーブルマンデブ海峡の町で家族と暮らしていたが先月10日攻撃により自宅が住めなくなった。ムフタルさんは翌日戦闘から逃れるため妊娠中の妻と3人の子どもたちとともに対岸のジブチに船で避難することにした。ムフタルさんは「小さな船に90人以上が乗っていて身動きができなかった」と話す。妻は船の中で陣痛が始まり、ジブチ到着後女の子のマルヤムちゃんを出産した。一家はテントを割り当てられたが、蒸し暑く風も通らない。マルヤムちゃんは顔や腕などに湿疹、体温が高い状態が続くが薬などが手に入らない。3人の子どもは学校に通う見通しはない。ムフタルさんは「世界のどの国々もイエメンの人々のことを考えてくれていない。空爆や戦争の影響がなければイエメンに帰りたい」と話した。東京・三鷹市で開かれた国際交流イベントに出店しているイエメン珈琲の専門店の紹介。タレック・アレモガヘッドさん33歳は日本の大学に留学し、卒業後現地の特産品「モカコーヒー」を日本に輸入している。モカコーヒーはイエメンの港湾都市モカが名前の由来。タレックさんは「イエメンのコーヒーの特徴はチョコレートっぽさがあり後味が結構甘いこと。イエメンの魅力を伝えたい。政治的な不安定さだけでなくコーヒーやコーヒーの産地がある」と話した。現地で仕入れているのはイエメンにいる兄・コサイさん34歳。気がかりなのは兄の安全だ。

現地の実情は/支援状況は改善するか

カイロ市局長・小島明さんは「避難民の多さと厳しい生活環境。現地は蒸し暑く、密集していた。過酷さを感じた」「支援が追いついていない。量は十分ではない」などと話し、「人道危機が深刻化している。国連などは避難生活の長期化は避けられないとみていて、支援の強化が求められている」と解説した。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
ラオスの学校“老朽化” 生徒たちの決断

ラオスの小学校。東南アジアでは1990年代から2000年代に日本の援助で各地に学校が建設された。高知県の高校が30年以上前に始めたプロジェクトでは高校生たちが資金を集めてラオスに学校を建て、交流を続けてきた。しかし、ここ最近問題になっているのが施設の老朽化。この夏、実態を調査しようと現地を訪れた生徒たちは難しい判断を迫られた。

ラオス“老朽化”する学校 どう支援?

首都ビエンチャンから車で2時間。郊外の村にある小学校を尋ねたのは高知商業高校の生徒たち。高知名物の鳴子を手に、現地の子供たちと踊る。この小学校は20年前、高知商業高校の生徒たちが集めた資金を活用して建てられた。この高校が学校建設の取り組みを始めたのは1994年。ラオスは激しい内戦等の影響で経済発展が立ち遅れ、子どもたちの教育が満足に行われていなかった。新聞記事でその実態を知った当時の生徒たちが資金集めを開始。ラオスで仕入れた民芸品などの販売を始めた。30年余りで約3000万円をNGOを通じて提供することで、9つの小学校や幼稚園などの建設を支援してきた。いま10校目の建設を目指している。現地を訪れた高校生が目にしたのは、気温32℃になる教室の扇風機。肝心の羽が回っていない。別の小学校では教室の窓が塞がれていた。ラオスでは近年、コロナ禍や財政悪化の影響で教育予算の削減を余儀なくされ、学校の維持管理が十分に出来なくなっている。新しい学校を建てるべきか、今ある学校を修繕すべきか。高校生たちは支援をする上で、子どもたちや地域のリーダーに現地のニーズを尋ねた。生徒たちはホテルで議論を交わした。帰国から1カ月、活動方針を説明する集会で生徒たちが示した結論は、10校目の建設を目指して集めた資金はすでにある施設の“「修繕」に使う”。現地で触れた切実な思いが決め手だった。高知商業高校・筒井悠貴が「夢を持てるように、それを支えるのが自分たちの務め」などとコメントした。

高知商業高校の生徒たちが活動を始めた当時を比べると状況は改善してきているものの、まだ課題が多いのが現状。1990年代から2000年代にかけてラオスでは日本の様々な支援団体やODAによって、小学校などの建設が活発に行われてきた。1990年には65%だった初等教育の就学率は2022年には90%まで改善したとみられている。いま建物の設備や老朽化が進んでいるほか、教員や教材も足りていない。この取り組みは商業高校としてどのように資金を集めるのかなども含めて実践的に学ぶ機会としても続けられている。今後、どのように修繕を進めていくのかについても生徒たちが現地と調整しながら検討を進めていくという。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
イラン提案 米から回答

イラン側は仲介国・カタールを通じてホルムズ海峡の開放などに向けて7日間でとるべき措置を提案していた。複数のイランメディアは「アメリカからの回答がアラグチ外相からペゼシュキアン大統領に提示された」と報じた。回答内容は不明。ロイター通信は、30日関係者の話として「6月に両国間で結ばれた覚書を拡充し、その枠組みに戻ることやイランの核開発計画に関する措置が盛り込まれている」と報じた。しかし、実行していく手順には双方の間で隔たりがあり先行きは不透明な状況が続いている。

“韓国のアラスカ投資”発表 韓国側と認識に違いか

去年、アメリカと韓国政府の間で合意した55兆円規模の対米投資。アメリカ・トランプ大統領は「第一弾としてアラスカ州のLNG液化天然ガスのパイプラインなどに韓国が投資することが決まった」と発表。韓国政府が投資するのはテキサス州のガス火力発電所の建設や原子力発電所8基、アラスカ州LNGパイプラインとしている。一方、韓国政府は「アラスカ州LNGパイプラインへの投資は決定しておらず今後の交渉課題として検討を進める」としている。韓国メディアは「双方の認識が一部食い違っている」と報じている。

FRB本部 改修費用めぐり “法律違反は認められず”

アメリカ・トランプ大統領はFRB本部の改修工事をめぐり、費用増加を問題視しパウエル前議長の責任を追及していた。調査報告書によると改修プロジェクトの予算は2000億円余(2020年時点)→3700億円余に増額(2024年)。コストの上限が設定されないなどFRBのリスク管理に不備があったと指摘する一方、法律違反の行為があったと信じるだけの合理的な根拠は確認されなかったと結論づけた。これを受けて、トランプ大統領はSNSで「パウエル前議長の責任であり直ちに理事会からの辞任を迫られるべき」と主張。ブランチ司法長官に報告書を精査し対応を判断するよう指示したとしている。

(エンディング)
皆さんの声

皆さんの声「ICC締約国会議 開催地変更の件。日本は開催地に手を上げたのか」を紹介。情報がなく不明。本来はニューヨーク開催だったが、ICC締約国本部のあるオランダ・ハーグ開催が決定。物理的・業務的にもハーグがやりやすかったのではないか。

あすは

あすは「ブラジル大統領選挙の行方」について伝える。

エンディング

エンディングのあいさつ。

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