2024年3月31日放送 8:00 - 8:25 NHK総合

小さな旅
選「桜に心つないで 〜福島県 浪江町〜」

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(小さな旅)
桜に心つないで 〜福島県 浪江町〜

福島県浪江町、2011年の東日本大震災と原発事故から12年が経過した。避難地域は縮小したものの、いまだ戻ってくることのできない人もいるという。現在の人口は震災前の10分の1以下になってしまっている。ただ変わらないのは街の真ん中にある桜並木。請戸川沿い1.5キロほどの間にソメイヨシノが120本ほど植えられている。桜が満開になった際には、街を離れた人も見に来るのだという。桜の手入れをしている小黒敬三さん、3年前避難先から戻ってきて配管業を営んでいるという。9年に渡って避難生活をおくった小黒さんだが、桜のことが頭から離れず、避難先から手入れのために通ったという。そんな姿を見て仲間が集まり、現在は24人で桜の手入れをしている。小黒さんは街に昔の面影がなくなっており、残っているのは桜並木で、復興のシンボルだと話してくれた。

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ソメイヨシノ浪江町(福島)請戸川

請戸川の桜は71年前に植えられたものだという。6年前に浪江町に戻ってきた金澤富子さん。彼女のお祖母さんが土手に桜の木を植えたのが始まりだという桜並木。豪快な性格で、困っている人を放っておけなかったというお祖母さん。そのお祖母さんが夫を亡くした年に始めたのが桜の植樹だったのだという。どのような気持ちでお祖母さんが桜を植えていったのかは伺い知れないが、その後も多くの人達が桜を植えていった。金澤さんはお祖母さんとの再会を楽しむように桜を眺める。桜並木は時を越えて、心を繋いでいる。

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浪江町(福島)請戸川

4月はじめの週末、桜並木の近くには露天も並ぶ。小黒さんは桜並木の近くで幼なじみだという松本さんと待ち合わせる。およそ3年ぶりの再会。松本さんはかつて浪江町で寿司店を営んでいたが、震災時の避難先から現在も戻ってくることができていないのだという。小黒さんは現在も戻ってこられない人にも浪江町と桜並木を忘れてほしくないのだと話す。4年前、街では夜桜花火を復活させた。小黒さんは松本さんとともに花火を見つめた。桜吹雪の頃、桜並木のもとに小学生が課外授業にやってきた。震災後の浪江町しかしらない子どもたちに、先生はその歴史を語る。また来年もという思いを込めて小黒さんたちは手入れのために桜並木を訪れる。あの日から12年、浪江町の人たちは春を待ち続ける。

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浪江町(福島)
(エンディング)
エンディング

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