2025年6月6日放送 23:45 - 0:35 NHK総合

新プロジェクトX〜挑戦者たち〜
新プロジェクトX 廃校寸前からの逆転劇〜高校生と熱血先生の宇宙食開発〜

出演者
有馬嘉男 森花子 
(オープニング)
廃校寸前からの逆転劇 高校生と熱血先生の宇宙食開発

2020年11月、日本の高校生が作った鯖缶の宇宙食が宇宙で食べられた。宇宙食を高校生が作るのは世界初だった。成し遂げたのはかつて地元で最も荒れていた水産高校だった。

オープニング

オープニング映像。

オープニングトーク

今回は鯖缶の宇宙食を開発した高校の物語。

廃校寸前からの逆転劇〜高校生と熱血先生の宇宙食開発〜
廃校寸前からの逆転劇 高校生と熱血先生の宇宙食開発

大学時代にスキューバダイビングに熱中した小坂さんは、水産高校で海の楽しさを伝えたいと2001年に福井県立小浜水産高等学校に赴任した。しかし初日、職員室で挨拶をすると「なんでこの学校に来たんや、もう潰れるで」と言われた。志望者が減少し、他の学校に行けなかった生徒の受け皿になっていた。小坂さんの担当は食品工業科。授業をしても生徒は床で寝続け、昼休みにはタバコ片手にたむろしていた。中でも西さん、辻さん、渡邉さんの女子生徒3人組に手を焼いた。同僚の桝田教諭に声をかけられ、小坂さんは涙を流したという。桝田さんは生徒から一目置かされている教師だった。小坂さんは増田先生は本当に子どもたちと同じ目線に立って一緒にやっていくスタンスが常にあったと振り返った。小坂さんは自分も生徒と同じ目線で向き合おうと考え、家庭問題で学校を休みがちだった渡邉さんの悩みに耳を傾け一緒に通学した。西さんも小坂さんの変化を感じ取った。そんな中生徒から「うちらどうせアホやし」という言葉を聞いた小坂さんは、学びに対しての諦めをなんとかしたいと考え、鯖をクラスで缶詰にする実習授業が思い浮かんだ。文化祭でも列を作る食品工業科の伝統で、生徒たちが唯一誇りを持てる瞬間だった。校誌で地元の人と網を引く実習授業の写真を見つけた小坂さんは、地域で実習させてほしいと会議で提案したが、生徒を連れ出すと問題を起こすという声があがった。

キーワード
小浜市(福井)渡邉恵実福井県立小浜水産高等学校西さおり辻綾華
スタジオトーク

スタジオには小坂さんと西さんが登場。小坂さんは、当時はうまく噛み合わずに滑っている感じがして辛かったと話した。西さんは鯖缶作りの実習はとても楽しかった、自分たちの自信になる唯一のものだったと話した。

廃校寸前からの逆転劇 高校生と熱血先生の宇宙食開発

実習に反対する声に対して、かつて「この学校潰れるで」と言ってきた清水教諭が「俺も面倒みますよ」と声をあげた。清水さんは小坂さんのやる気にかけてみようと考えていた。地元漁協関係者に顔が広かった清水さんが実習の話をつけてきた。実習当日、生徒たちはキビキビと動き、褒められると笑顔を見せた。実習で知り合った漁師たちからエチゼンクラゲの大量発生に困っていることを知った西さんたちは、エチゼンクラゲを粉末化してコラーゲンを抽出することに成功した。にがりの成分も見つけ出し、豆腐を作り出した。研究成果は北陸の水産高校が集まる発表大会で最優秀賞を受賞し、そのニュースは瞬く間に広がった。2年後に始まった海の水質を海藻で改善する研究では、小坂さんは生徒の研究に付き添い寝る間も惜しんでレポートをチェックした。全国の水産高校が競う大会で頂点に立った。しかし優勝した生徒が卒業後、会社に行けなくなったことを知った。小坂さんが理由を尋ねると「先生みたいな人がいなければ僕は何もできない」と言われた。小坂さんは、優勝を目指すために生徒のレポートを真っ赤に修正していた。

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エチゼンクラゲ渡邉恵実福井新聞福井県立小浜水産高等学校西さおり辻綾華
スタジオトーク

西さんは、勉強という感覚ではなかった、みんなで一緒に作業するのが楽しかったと話した。小坂さんは、と「先生みたいな人がいなければ僕は何もできない」と言われたショックで教員を辞めようと思った、先回りして子どもたちに失敗させないようにしていた、優勝したら自分も指導者として有名になるのではといったやましい気持ちがあり自分を見失っていたと話した。

廃校寸前からの逆転劇 高校生と熱血先生の宇宙食開発

2007年、日本初の有人宇宙施設「きぼう」の建設計画が進んでいた。「鯖缶を宇宙に飛ばせるんちゃう?」という生徒の発言で、小坂さんと生徒たちは鯖街道を宇宙まで伸ばそうと夢を持った。しかしJAXAに問い合わせると、缶詰は容器がかわばるため宇宙食には使えないと言われた。生徒たちは「缶詰じゃない宇宙食を作ればいい」と、西さんたちのエチゼンクラゲの粉末を活かした宇宙食作りを始めた。宇宙食には保存期間や品質の安定など厳しい厳しい基準がある。生徒たちが失敗を重ねる中、小坂さんは手を出さずに見守った。その後JAXAの宇宙食担当者も試食し、絶賛した。その矢先、小浜水産高校が再編対象になった。小坂さんたちは近隣の中学校に頭を下げて生徒募集のビラを配ったが、事態は変わらなかった。実習で交流を深めた地元の人たちが集まり、学校を残せる道はないか県の教育委員会と何度も話し合った。2年の話し合いの結果、近くの若狭高校に海洋科学科を新設し再出発する案が出た。宇宙食の夢は新たな学校に受け継がれた。1期生の田中さん、村橋さん、野村さんは無重力での食べやすさに挑んだ。葛粉でとろみをつけ、飛び散らない調味液を開発した。4年後輩の高山さんたちは先輩たちの残したノートを読み込み、味付けを研究した。2020年、宇宙へ行った野口聡一さんは生徒たちが開発した鯖缶を食べた。

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スタジオトーク

小坂さんは、生徒たちが自分ごとに感じてくれているのが嬉しかった、宇宙食は民間企業でも難しいことで教員にとっても同じ目線で考えたことが成功につながったと話した。小浜水産高校存続のために尽力した西野さんもスタジオに登場。西野さんは、高校生が地域のことをやることは地域の人たちにとって励みだった、学生の頃に地域で一緒に活動した子どもたちは帰って来る、帰って来たい子どもたちを作る教育が地方を救うと話した。

廃校寸前からの逆転劇 高校生と熱血先生の宇宙食開発

若狭高校では今も鯖缶の実習があり、小坂さんの教え子・小畑さんが教えている。西さんは勉強をイチからやり直し保育士の資格を取った。

キーワード
福井県立若狭高等学校
(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

次回予告

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