2023年12月9日放送 22:00 - 22:30 テレビ東京

新美の巨人たち
【ピカソが起こしたアート革命!“キュビスム”×篠原ともえ】

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(オープニング)
今回は…

今回はピカソが生み出したキュビスムについて特集。

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キュビスムパブロ・ピカソパリ市ロベール・ドローネー
オープニング

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新美の巨人たち
アート最大の革命 キュビスムってなんだ?

東京・上野公園にやってきたのは篠原ともえ。国立西洋美術館ではパリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへという展覧会が開催中。裸婦は1909年の作品で、山を背景に、白い布をまとった女性が描かれている。目を凝らせば人らしき姿がわかる。しかしその翌年に描いたギター奏者という作品は、何がなんだかわからない絵に。これがキュビズムで、そもそもピカソ以前のアートには、一つの常識が存在し、15世紀のイタリアで花開いたルネサンスの代表のラファエロの名作アテネの学堂は壮大な人間讃歌。古代ギリシャの学者たちの姿を実在のの人物をモデルに、そこに存在しているかのように描いた。見たままを優美に描くことが芸術の古典的なスタイルになっていた。19世紀のフランスのパリでその芸術に反乱が勃発する。

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アテネの学堂キュビスムギター奏者パブロ・ピカソパリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへヘラクレイトスラフェエロ・サンティレオナルド・ダ・ヴィンチヴァチカン(イタリア)上野恩賜公園京セラ美術館国立西洋美術館東京都裸婦

19世紀のパリでは美術界が大きく揺れ動いていた。それは写真の登場でそれまでに見たままのを描いても写真に勝てない。画家たちは写真を超える新しい表現方法を求めた。移ろう自然や光の一瞬をキャンパスの一瞬に捉えようとした印象派や、強烈な色彩とフォルムで心象風景を突きつけたポスト印象が登場。そして20世紀初頭のパリで注目され始めたのはスペイン人画家のパブロ・ピカソ。その絵画の常識を破ろうともがいていた。ピカソが人目で虜になったのは印象派の画家のポール・セザンヌの代表作のりんごとオレンジ 。普通の静物画のようだがよく観るとバランスが変。上の方にある器は横から見て描いているが、下の皿はやや上から描いている。さらに真ん中のりんごは真上からの図。自分の感じたありのままの描くためにこうなったという。それまでの絵画は一つの視点からみて描いていたが、セザンヌは、多くの視点から観た像を一つにしようと思いついた。その自由な発想にピカソは衝撃をうけた。その頃時代を変えるきっかけになった一枚を描いた。その作品は1907年の作品のアヴィニョンの娘たち。特徴的なのはその顔。半分は正面から、半分は横からみた視点で描かれ一つの顔になっている。背中をみせる娘は顔だけこちらを向き、多視点の視点をみることができる。同じ頃に、セザンヌに衝撃をうけたもう一人の画家がいた。ジョルジュ・ブラックは印象派が活躍したフランスのアルジャントゥイユに生まれてパリに出て画家を目指していた。ある日ブラックは友人に連れられてピカソが住んでいた芸術形のアパートの洗濯船を訪ねた。そこであのアヴィニョンの娘たちをみて衝撃を受けた。

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ピカソとその考えに共鳴したブラックは絵画の歴史に大革命を起こすことになる。ブラックは様々な視点から目の前の風景をみつめレスタックの高架橋を描いた。しかしまるで立方体のはこのようだと痛烈に批判されたがこれがキュビズムの語源になった。一方でピカソの絵は描く対象をあまりに細かな面に分解することで元の姿すら判別できないほどの変化していく。誰に何を言われても意に介さない二人の挑戦は過激になっていった。ピカソの描いたギターを弾く人物画、ブラックが工場を描いた風景画は何が描いているかわからないという状況にキュビズムの本質があると国立西洋美術館の田中正之は答えた。あまりに理屈で描いた結果、何を描いても同じような絵が生まれてしまうことに。ブラックが描いたギターを持つ女性は、板を貼り付けたような表現などが生まれた。コラージュは様々な素材を貼り付けて頭に浮かんだ通りに再構築していく表現のこと。世界で初めてやったのがこの2人だという。2人がとらえたかったのは描く対象の本質のようなもの。そのために本質を表現できるなら何でも使ったという。1914年には第一次世界大戦が始まるとブラックは戦地に向かい、二人の挑戦は10年で終わった。キュビズムは様々な分野へどんどん透していく。フランスのパリの郊外のサヴォワ邸は20世紀建築の傑作がある。吹き抜けのピロティと、連続した窓が特徴でモダニズムの極地と言われている。内部にはフロアを結ぶ優美なスロープも。作者のル・コルビュジエは現代建築の基礎を築いた巨匠。国立西洋美術館もル・コルビュジエが設計した。キュビズムに影響を受けた部分が常設展の入り口のホールの2階にあるスロープ。そこから作品をみると目の前の展示風景が変化していくのがわかる。

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ブラックの描いた大きな裸婦はこれまでの古典的な人物画像ではあり得なかった太く短い足と簡素な表情。アフリカやオセアニアなどの彫刻にヒントを得て肉体という形に潜む根源的なものを表現しようとしたという。ピカソのアヴィニョンの娘たちにもアフリカの仮面をモチーフにしたと思われる表現を見ることができる。みたままではなく頭の中で突き詰めた形を表現するのがキュビズムでもある。アメデオ・モディリアーニの女性の頭部は作者の理想の女性が面長の顔と大きなアーモンド型の目で表現される。キュビズムは人間の想像力と解き放ちあらゆる分野の表現を変えていった。意外なことに家電やインテリア製品もキュビズムに大きく影響をうけている。プロダクトデザイナーの深澤さんは自身が手掛けたI携帯のNFOBARはその形が評価されてニューヨーク現代美術館にも所蔵されている。携帯電話の常識を疑い理想の形を落とし込む過程がキュビズム的だったという。

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篠原ともえは今日の感想に自分の手掛けるファッションにもキュビズムの影響を感じたという。

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