2023年11月25日放送 22:00 - 22:30 テレビ東京

新美の巨人たち
【あなたの街の名建築・高輪消防署二本榎出張所】

出演者
渡辺いっけい 
(オープニング)
今回は…

高輪消防署二本榎出張所を特集する。

キーワード
高輪消防署二本榎出張所高輪(東京)
オープニング

オープニング映像。

新美の巨人たち
港区・高輪 美しき消防署

高輪ゲートウェイ駅はJR山手線で最も新しい駅。樹木のような無数の柱があり、設計は隈研吾。心地よい和のぬくもりと木材と木目調のタイルを使ったデザインがいたるところに。高輪ゲートウェイ駅を背にして桂坂を西へ15分ほど歩く。今日の作品は昭和8年竣工の高輪消防署二本榎出張所。鉄筋コンクリート造の三階建ての建物で鉄骨造の望楼がのっている。その上の鉄塔までおれると高さは30m。建築当時は岸壁の上の灯台、海原をゆく軍艦とうたわれた独特な造形。特徴的なのはかつて火の見櫓だった円柱形の望楼。外壁を覆うクリーム色の磁器タイルと腰壁に使われる白い花崗岩が落ち着いたコントラストで、リズミカルに連続する縦長の四角い窓にアーチ窓や丸窓もある。随所に局面を用いたデザインは第一次大戦後にヨーロッパで起こった当時最先端の建築思想を取り入れたもの。当初は本署として建てられたという。

キーワード
隈研吾高輪ゲートウェイ駅高輪消防署二本榎出張所高輪(東京)

昭和を感じるレトロな照明と、渋い鈍色に輝く階段は幻幻楼にして優美。人造大理石研ぎ出し仕上げという職人の丁寧な仕事が施される。嬉しいことにこの場所は誰でも見学が可能。

キーワード
高輪消防署二本榎出張所高輪(東京)

二本榎出張所は老朽化が進み一時は取り壊しの話もあったが、高輪の街の人々や日本建築学会殻の強い要望を受けて昭和58年に東京消防庁が保存を決定した。二年後に改修工事が行なわれた。ただ建物を残すというだけでなく消防署の実用性はそのままに生きている建築としてそのまま使うと平成22年に東京都選定歴史的建造物に選ばれた。2階には事務室や更衣室があり、壁の天井の境目に注目するとさりげない立体的な装飾が。もう一つ気になる扉には、すべり棒。出場の際に2階から車庫に降りるためにつけられた滑り棒。しかしすべり棒でも階段でもさほど時間の大差はないことと、すべり棒は夜間の場合けが人がでてしまうこともあり使用されていないという。直線と直線が織りなす階段はとても消防署とは思えないほどモダン。丸い形をした三階部分は現在展示室として使用される講堂が。江戸から現代までの歴史がわかる道具の数々を陳列している。美しいのは中心から伸びる8本の梁が放物線を描きながら優しく柱へと繋がり、空間を優しく包む演出。いかにも消防署らしく、外の様子がわかる連続したアーチ窓がある。講堂入り口の上につけられたアール・ヌーヴォー風の照明は当時も珍しいガス灯が使用され予備照明として使用された。そんな美しくも機能的な消防署の一日は現在、29名の署員が勤務している。

キーワード
高輪消防署二本榎出張所高輪(東京)

朝8時30分には大交替という、前日の職員から当直勤務へ業務の引き続きが行なわれた。次に点検を行い車両や機器材に異常がないか万全の状態に。九時に出場訓練をし、消防官は出場指令をうけてから一分以内に防火衣を着て消防車に乗り込み出場しなければいけない。さらに防火衣などを完璧に装着する訓練があったが渡辺も挑戦した。そして11時30分には昼食へ。出場指令がいつあるかわからないので外食はせず。消防署について、所長の柳さんはこの榎出張所について古風な庁舎はここしかないのではと答えた。この地に消防署がおかれたのは明治41年7月。当時は消防本署二本榎派出所と呼ばれ、木造二階建ての家屋に四本柱の火の見櫓がついた江戸以来の伝統的な形だった。昭和8年には関東大震災後の復興事業の一環として耐震性、耐火性の高い鉄筋コンクリート造りに建て替えられて今の形に。この時高輪消防署の本署としてスタートした。建物のディティール一つひとつに新しい消防署をつくるという息吹と情熱が満ち溢れている。13時には救助訓練がスタート。消防官の業務は苛烈を極め、時間との戦いでもあり、だかたこそなのか建物はほっこりと優しく、美的センスにあふれている。設計者は越智操。

キーワード
越智操高輪消防署二本榎出張所高輪(東京)

高輪消防署二本榎出張所の設計者は越智操。警視庁総監官房会計課宮繕係にいたという。彼の出身校である工手学校、現工学院大学へ。明治20年に創立した工手学校の第1回から99回までの卒業名簿が。その中に越智操の名はあったがその後の実績はわからないという。昭和59年にこの建物の保存工事のため調査に参加した藤森さんは1954年に大田区に住んでいて一級建築士であったこと以外は知らないという。しかし国会図書館で調べると国際建築という雑誌の中に彼の名前が。杉並公会堂の建築に携わったというが東洋一の音楽の殿堂と言われクラシック公演を始め、様々なコンサートなどに使用された。設計管理として入っていたがそれ以降はわかっていない。17時には消防署では消防メシと呼ばれるまかないが。18時には日夕点検、その後はミーティングや事務処理、筋力トレーニングが行われた。23時には仮眠する。翌朝に大交替を迎える。さらに渡辺は消防署の望楼へ。

キーワード
国会図書館 東京本館国際建築工学院大学杉並公会堂越智操高輪消防署二本榎出張所高輪(東京)

高輪消防署二本榎出張所の望楼から渡辺いっけいは景色を観、建物が優しさを感じみなを見守っていると思うと感慨深いと答えた。

キーワード
高輪消防署二本榎出張所高輪(東京)
(エンディング)
次回予告

新美の巨人たちの次回予告。

(番組宣伝)
みんなのスポーツ

みんなのスポーツの番組宣伝。

© 2009-2024 WireAction, Inc. All Rights Reserved.