高輪ゲートウェイ駅はJR山手線で最も新しい駅。樹木のような無数の柱があり、設計は隈研吾。心地よい和のぬくもりと木材と木目調のタイルを使ったデザインがいたるところに。高輪ゲートウェイ駅を背にして桂坂を西へ15分ほど歩く。今日の作品は昭和8年竣工の高輪消防署二本榎出張所。鉄筋コンクリート造の三階建ての建物で鉄骨造の望楼がのっている。その上の鉄塔までおれると高さは30m。建築当時は岸壁の上の灯台、海原をゆく軍艦とうたわれた独特な造形。特徴的なのはかつて火の見櫓だった円柱形の望楼。外壁を覆うクリーム色の磁器タイルと腰壁に使われる白い花崗岩が落ち着いたコントラストで、リズミカルに連続する縦長の四角い窓にアーチ窓や丸窓もある。随所に局面を用いたデザインは第一次大戦後にヨーロッパで起こった当時最先端の建築思想を取り入れたもの。当初は本署として建てられたという。
昭和を感じるレトロな照明と、渋い鈍色に輝く階段は幻幻楼にして優美。人造大理石研ぎ出し仕上げという職人の丁寧な仕事が施される。嬉しいことにこの場所は誰でも見学が可能。
昭和を感じるレトロな照明と、渋い鈍色に輝く階段は幻幻楼にして優美。人造大理石研ぎ出し仕上げという職人の丁寧な仕事が施される。嬉しいことにこの場所は誰でも見学が可能。
住所: 東京都港区港南2-10-145