- 出演者
- 牛田茉友 曽我英弘
今月発表された国立社会保障人口問題研究所の推計によると2050年には全世帯の約44%が1人暮らしとなり、さらにこの半数を65歳以上の高齢者が占める見通しとなった。課題となっているのが住まいの確保。今日は高齢期の住まいに焦点をあて課題解決の具体的なヒントを専門家と考える。
- キーワード
- 国勢調査国立社会保障・人口問題研究所
今月発表された国立社会保障人口問題研究所の推計によると2050年には全世帯の約44%が1人暮らしとなり、さらにこの半数を65歳以上の高齢者が占める見通しとなった。課題となっているのが住まいの確保。吉田氏は「生き方がこれからちゃんと実現できるようにそういう社会がどういうふうに備えていくべきかということを議論していきたい」などと話した。
- キーワード
- 国勢調査国立社会保障・人口問題研究所
結婚したことがない65歳以上の高齢者に入居を断られた理由を聞いたところ、万一の時の身元引受人がいないためが83.3%、高齢のためが66.7%、家賃の連帯保証人がいないためが33.3%(2023年度内閣府)。1人暮らしの高齢者が部屋を借りにくい現状についてR65不動産代表・山本遼は「大家にとって身よりがいないということは亡くなった時物をどうするか、家賃の滞納などが課題」、福岡市社会福祉協議会終活サポートセンター所長・吉田時成は「単純に住まいの手伝いだけではなく総合相談窓口のようなコーディネート力がいる。あとそれぞれ違う課題を持っているのでそれぞれに応じた柔軟さが必要」、日本総研創発戦略センターシニアスペシャリスト・沢村香苗は「貸主も誰に相談したらよいか分からないというのも不安に感じている」、放送大学名誉教授・宮本みち子は「中年期の人が老後の不安を抱えていても相談して準備することが出来ないというのが問題」とスタジオコメント。
高齢期の「住まい探し」の課題について東京大学大学院教授・大月敏雄は「国会で住宅セーフティネット法の改正案が議論されている。そこで借りる人への支援対策強化、貸す人の安心強化支援策。もう少し経済的な対応を見直していく必要がある」、R65不動産代表・山本遼は「見守りで福祉事業者と連携がしやすくなった」、福岡市社会福祉協議会終活サポートセンター所長・吉田時成は「血縁、地縁だけではない新しいコミュニティやつながりができるのも1つの解決策ではないか」、日本総研創発戦略センターシニアスペシャリスト・沢村香苗は「とどまりたいという高齢者と折り合いをつけていくところに苦心するので早い段階から関われるようなことがあるともう少しスムーズになるのではないか」、放送大学名誉教授・宮本みち子は「家族が担っていた機能が単身化で失われていき、後追い的に対策を考えなければならない事態になっていて第一弾が高齢者問題。家族に頼らなくても社会が維持できる体制を作っていく段階にきている」などと話した。
- キーワード
- 東京都
高齢期の「住まい探し」の課題について東京大学大学院教授・大月敏雄は「居住支援をやる民間の団体と自治体が形成していく居住支援協議会がお互いに連携していない。横繋がりの体制強化などが求められる」、R65不動産代表・山本遼は「不動産会社、NPO、行政と一緒になってやっていく時、目的がそれぞれ違う。営利を考えると若い人の引っ越しをやったほうが得」、福岡市社会福祉協議会終活サポートセンター所長・吉田時成は「社会全体で個人の生活を受け止められるような社会作りが必要」とスタジオコメント。
入院などで住まいを離れる際に直面する課題と解決策について。入居、入所で対応が難しい場面(2024年3月・日本総合研究所)についてごみの処分が60.2%と最多。福岡市社会福祉協議会終活サポートセンター所長・吉田時成は「ペットを飼っている人の相談も増えている」、日本総研創発戦略センターシニアスペシャリスト・沢村香苗は「何等かの手立ては必要と感じる」、放送大学名誉教授・宮本みち子は「業者でやるのは限界。色々な人たちがそこに加わっていきながら解決していかないといけない」とスタジオコメント。ケアマネージャーが介護保険制度以外の支援を実施したかについて実施83.7%(金融機関の手続き、土地住宅関係の手続き、行政上の諸手続き)。福岡市社会福祉協議会終活サポートセンター所長・吉田時成は「何がいつ起こるか分からないという支援者側の負担は大きいものがあると感じている」、日本総研創発戦略センターシニアスペシャリスト・沢村香苗は「家族がいない人の代わりに入った見過ごせない現状の人に負担が集中してしまうのが現状」、東京大学大学院教授・大月敏雄は「戸建て住宅を所有して1人で住んでいる人もたくさんいて、そういう人も含めると課題は多岐に渡る」、放送大学名誉教授・宮本みち子は「50代くらいから何をしたらいいのか十分な情報提供が必要」とスタジオコメント。
- キーワード
- 日本介護支援専門員協会日本総合研究所
入院、入所の場合・支援のあり方について吉田氏は「困っていることに早く気づくそしてそれを共有するような仕組みっていうのが必要」、宮本氏は「行政のあり方自体を変えていかなければいけない」などと話した。
支援のあり方について大月氏は「仕組みづくりがまだまだ医療と地域社会の間で仕組みがそんなに存在しないということが1つ大きな課題」などと話した。
死後の対応についてトーク。調査では死後対応が難しい場面で相続財産精算人の適任の申立が42.3%で残置物の処分が30.1%などであった。宮本氏は「支援を必要としている方にとって何がいいのかというその観点での検討が必要」などと話した。