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オープニング映像。全てのホースマンの憧れ「日本ダービー」。2023年に生まれたサラブレッド7944頭の中からわずか18頭にしか許されない夢舞台だ。日本ダービーを巡るホースマンの熱い想いに迫る。
皐月賞でクラシック一冠目を手にしたのは、2歳王者のロブチェン。驚異のレコードタイムを刻み、昨年のホープフルステークス以来二度目となるGI勝利を飾った。ロブチェンは、2023年4月9日に北海道・新千歳空港から車で20分ほどの場所にあるノーザンファーム早来で誕生した。ディープインパクト、イクイノックス、ドウデュースなど数々の名馬を生産し、日本ダービーは史上最多の13勝。言わずとしれた日本一の大牧場だ。ロブチェンの幼少期の世話を担当したのは、繁殖スタッフの浅倉佑衣さん。生後まもなくは人に慣らす訓練をし、人を信用できるようにしていくという。浅倉さんは2023年に繁殖厩舎長に就任し、その初年度に生まれたのがロブチェンだ。ロブチェンは怖がりだがパワーが強いので、手綱を持っている人は大変だったという。「なかなか難しい馬だな」と思いながら管理していたそう。皐月賞では中山競馬場まで応援に駆けつけた浅倉さんの眼の前で力強い走りを見せ、その肝が座った走りに驚いたという。
1歳の夏を迎えたロブチェンは、競走馬になるための本格的なトレーニングを行う調教j厩舎へ移動。ここでロブチェンに調教を付けたのが、厩舎長の加我烈士さん。2024年に厩舎長に就任した初年度にロブチェンが入厩した。ロブチェンの父親は、菊花賞や天皇賞(春)を制したワールドプレミア。加我さんはデビュー前のワールドプレミアの調教も担当しており、親子の背中を知る貴重な存在だ。加我さんは「ワールドプレミアは体が柔らかくて運動神経が抜群。絶対走ると感じた。ロブチェンは、正直そこまでのインパクトは感じなくて、目立たなかった。でも、どんどん変わっていき、活躍してくれるなと思った」と語る。ノーザンファームでは厩舎長に調教メニューが任されている。加我の調教に対するこだわりは「短所を消すより長所を伸ばす」。そんな加我の元で成長を遂げたロブチェンの才能が花開いたのは、デビューから3ヶ月後のホープフルステークス。加我さんは「育成がしっかりつながったと感じた」と手応えを感じている。
2歳の9月、ノーザンファームを巣立ったロブチェンは、滋賀県にある栗東トレーニング・センターの杉山晴紀厩舎へ入厩。皐月賞の激闘から2日後、厩舎はお祝いの花で溢れていた。ロブチェンの日々の世話や調教を付けているのは、調教助手の房野陽介さん。房野さんは初めてロブチェンにまたがった時の衝撃を忘れられないそうで、「背中がやばいと思った。全身がしなるように動く。同じ時期にジャスティンパレスにまたがる機会があって、「一緒だ!」と思った」と語る。ジャスティンバレスは天皇賞(春)を制した馬だ。房野さんはホースマンになって26年目、今年で47歳。担当馬として初めてJRA・G1を制してくれたのがロブチェンだった。日本ダービーで騎乗するのは松山弘平騎手。
皐月賞の2着のリアライズシリウス。共同通信杯では快走。津村明秀騎手が手綱をとる。すでに重賞を5勝している。筑波大学で毎週火曜日にトレーニングしているとのこと。海老名正義調教師も現役時代にトレーニングした。福田崇准教授が指導する。騎手をはじめさまざまな競技のトレーニングを指導する。競馬好きの父の影響で騎手を目指した。きっかけは有馬記念のナリタブライアン。それから中山競馬場で乗馬をはじめた。JRA競馬学校を卒業。騎手免許を取得。アイルランド大使特別賞を受賞。期待を背負った。同期の川田将雅騎手や吉田隼人騎手や藤岡佑介元騎手がG1を制覇。ヴィクトリアマイルで津村騎手は悲願のG1制覇。自信がついた瞬間だったという。次に狙うのはダービージョッキーの称号。2020年にダービー初騎乗。ようやくたどり着いた舞台だった。それから6年。2歳新馬でリアライズシリウスに騎乗し勝利。共同通信杯でも勝利。4月の皐月賞では、2着。リアライズシリウスとダービーにでられるのは大きな出来事だ。東京競馬場で競馬界最高の栄誉を狙う。
今年で創業117年目を迎えた辻牧場。牧場の馬を一手に管理するのが社長・辻助さん。この牧場から誕生したのがグリーンエナジー。強烈な末脚で京成杯を制し、一気にクラシック候補へと名乗りを上げた。辻さんの祖父・芳雄さんは日本競馬の黎明期を支えたホースマン。1950年に菊花賞を制したハイレコードや1958年に皐月賞を制したタイセイホープなど5頭の五馬クラシックホースを生産したが、日本ダービーだけは優勝できず、そんな祖父から託された大きな夢。それがダービー制覇だった。祖父の思いを受け継ぎ、これまでもダービーへの挑戦を続けてきた。中でも辻さんが最もダービー制覇への手応えを感じたのが2005年にアドマイヤフジで挑んだこと。しかし、ディープインパクトの前に4着。イギリスやアイルランドでの修行を経て20代後半に実家へと戻ってきた辻さん。これまで増やしてきた放牧地は約30ヶ所。その理由は色んな環境に馴染んでもらうこと。この日、蛯名正義調教師が管理予定の馬たちのチェックに来た。騎手時代から親交のある長年の盟友。蛯名調教師も辻牧場の馬を育てる環境に魅せられている一人。そして今年、再びダービー制覇のチャンスが巡ってきた辻牧場。祖父が果たせなかった大きな夢をグリーンエナジーに託す。グリーンエナジーを育てたホースマンにも他ならぬ思いがあった。繁殖牝馬や生まれたばかりの仔馬の世話をする大野康二さん。グリーンエナジーの母シンバルII。グリーンエナジーは幼少期から才能の片鱗を見せていたという。以前は札幌でIT関係の仕事に就いていたが、大の馬好きが高じて12年前に辻牧場へ。自ら育てたグリーンエナジーの挑戦について「クラシックレースに無事に出るだけでサラブレッドの世界では成功」と話した。そして迎えた皐月賞。辻さんも応援に駆けつけた。2番人気のグリーンエナジーは大きな期待を背負っての一戦だったが、前を行く有力馬を捉えきれず7着。長年競馬に携わる辻さんはダービーの重さを「答えが見つかりそうで見つからない。イギリスのエリザベス女王がダービーを獲ってない、それだけ難しい」と語った。祖父からの悲願を今年こそ果たせるのか。
2023年生まれのサラブレッド7944頭の中から、わずか18頭にしか許されなダービーの出走権。今年4頭もの管理馬をダービーに送り出す上原佑紀調教師。開業4年目の36歳。茨城県にある美浦トレーニング・センター。午前5時前から上原佑紀厩舎の1日が始まる。上原佑紀調教師は、2023年に平成生まれ初の調教師として厩舎を開業。3年目の昨年、スプリングステークスを制し重賞初制覇を飾ると、4年目の今年は京成杯の覇者グリーンエナジー、皐月賞で3着のライヒスアドラーと5着のフォルテアンジェロ、テレビ東京杯青葉賞を制したゴーイントゥスカイ。ダービー初挑戦にして4頭もの管理馬を送り出すことになった。史上最年少でのダービートレーナーを狙う。その躍進の秘訣は、これまで歩んできたキャリアにあった。父はG1を5勝あげた名馬ダイワメジャーを手掛けた上原博之調教師。そんな環境で育ち、自然と馬が好きになっていったという。小学3年生から乗馬を始め、高校・大学と共に馬術日本一に輝く活躍を見せる。大学で獣医師の資格を取得し、美浦トレセンの獣医師になった。勤務する中で、レースで勝って喜んでいる人達を目の前にして羨ましい気持ちが芽生えたという。獣医師から調教師の道へ進むことを決意。そんな息子を父親の博之さんは「競走馬の調教師として進むのは嬉しかった」などと話した。これまで培ってきた馬術選手や獣医師としての経験全てが調教師となった今に活きているという。ダービーに4頭を出走させるのは、藤沢和雄元調教師が2002年に達成して以来の快挙となる。上原調教師にとって、レイデオロでダービーを制し、通算1570勝をあげた藤沢和雄元調教師は憧れの存在。あまり面識はなかったが、「勉強させてください」と言ったら快く受け入れてくれたという。藤沢厩舎が解散する2カ月前で、その間色々教えてくれたという。
配信限定コンテンツとして、日本ダービーに挑むホースマンたちに迫る。騎手デビュー40年目を迎えた武豊騎手。前人未到のダービー7勝目を狙う。若手ホープの知られざる素顔に迫る。若き指揮官を支える4人の精鋭ホースマンを紹介。
エンディング映像が流れた。
