- 出演者
- 池田誠一 岸正浩
今回のテーマは「最低賃金」。政府の強い意向を背景に全都道府県で初めて時給1000円超となった。物価高の中で賃金が上がったことは良かったが、課題はないのか。働く側と企業側の立場から伝える。
最低賃金の額はどうやって決まるのか。まず、厚生労働省の審議会で目安額を決める。ことしは時給63~64円の引き上げ額の目安が示された。実際に各地域の額は都道府県ごとに決定する。2025年度の最低賃金は、最も高いのが東京の1226円など大都市圏では軒並み1100円台となっていて、最も低い高知・宮崎・沖縄では1023円となっている。39の道府県は国の目安以上に引き上げた。政府は2020年代に全国平均で時給1500円という目標を立てていて、最低賃金が引き上げられることで、全体の底上げにつながり、政府も取り組みを強めいている。
秋田県の最低賃金は1029円。引き上げ前は951円と全国最下位で、鈴木知事は「全国最下位を抜け出すのは最低目標」としていた。秋田以外でも前面に知事が出るケースが目立った。人材流出・人口減少を防ぐ危機感のあらわれとみられる。国も積極的に動いていて、 赤澤経済再生相は福岡県知事を訪問し、「中央の目安を上回る引き上げを実現するよう力添えをお願いしたい」と協力を求めた。2029年度に最低賃金1500円に到達するには、今後毎年90円以上とさらに高い引き上げが必要になる。
新たな引き上げ額が導入される発効日について。企業側は準備期間が必要ということで、発効日を大幅に遅らせるところが増えている。例年だと遅くても10月中がほとんどだが、秋田県では最も遅い来年3月31日などとしている。
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今後の課題について。大幅な引き上げには、正社員の給料を減らす、設備投資の見送りなどの副作用の懸念もある。企業が生産性を向上させて、その結果として賃上げにつながる支援策がますます求められる。大手企業は取引先企業が賃上げ厳守を行うために価格転嫁をしやすい環境づくりも重要となる。また、地域連携で最低賃金の水準を考えることも大事になる。
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