2025年3月12日放送 22:00 - 22:45 NHK総合

歴史探偵
家康の“開国”

出演者
佐藤二朗 片山千恵子 フレデリック・クレインス 
(オープニング)
今回は...

江戸幕府を開いた徳川家康は世界13の国と地域と100通を超える書簡を交わしていた。今回、家康の外交戦略を徹底調査する。

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徳川家康
オープニング

オープニング映像。

(歴史探偵)
スタジオトーク

鎖国が完成するのは徳川家光の頃で、徳川家康の時代は日本と海外は開かれていたという。番組では家康の外交戦略を調査した。

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徳川家康 知られざる外交戦略

家康の時代、上方の豪商だった末吉家には東南アジアの地図が所蔵されている。徳川家康はフィリピン、タイなどに船舶を送り、貿易を行なっていた。1592年、豊臣秀吉は朝鮮出兵に乗り出し、国内では外国人宣教師らを処刑。家康は方針を転換して友好的な外交姿勢を打ち出し、13の国と地域で100を超える書簡を交わしていた。鉛、火薬の原料となる硝石は東南アジアからの輸入品で、生糸は中国大陸の特産品だった。

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家康外交の広がり 東南アジアに日本町!?

ベトナム・ホイアンの来遠橋には石碑があり、橋を架けたのは日本人と記載されていた。また、発掘調査によって、仏前にご飯を供える仏飯器などが出土している。輸出向けの品ではないことから、ホイアンに日本人が暮らす町があったことを裏付けている。

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スタジオトーク

国際日本文化研究センターのフレデリック・クレインス教授によると、家康以前の外交政策は場当たり的で一貫性に欠けていたが、家康は様々な国の君主と書簡を交わし、貿易も制度化した。そんな家康はスペインとどうしても貿易をしたかったという。

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家康の野望 太平洋航路への参入

家康の時代、スペインは世界最大の海軍力を誇り、メキシコを中継地として太平洋まで進出していた。メキシコからフィリピンへ向かうなら貿易風を、フィリピンからメキシコへは偏西風を利用できた。家康はスペインとの外交関係を模索し、浦賀を貿易の拠点にしようとしていた。浦賀の周囲は山に囲まれ、船舶が風よけ、風待ちに最適だった。また、ウィリアム・アダムスは幕府の船大工らに造船技術をレクチャー。構造的に数ヶ月に及ぶ遠洋航海に耐えることができた。1609年、スペイン船が難破してしまうと、家康は太平洋航路への参入を実現すべく、宣教師たちの布教活動を保護するなどした。スペイン国王は感謝のしるしとして黄金の洋時計を家康に進呈した。

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スタジオトーク

日本から母国へ帰国したロドリゴ・デ・ビベロはフェリペ3世への書簡で、「日本を武力で征服するのは困難。だが、キリシタンの数が増えれば、家康の死後、スペイン王を新たな王と仰ぐでしょう」と記している。クレインス教授によると、スペイン人からすれば、日本との貿易よりも布教活動のほうに重きを置いていたという。

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家康外交の転換 禁教令の発布

キリシタンだった有馬晴信、岡本大八は贈収賄事件を起こし、駿府城には多数のキリシタンが潜伏していることが判明。家康は国家の災いになりうると、禁教令を発布した。

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伊達政宗 慶長遣欧使節の真相

伊達政宗は慶長遣欧使節のため、全長55mの西洋式帆船をつくった。徳川家康は伊東でガレオン船を作った経験を持つ船大工たちを派遣し、造船を支援していたという。伊達にスペインとの貿易交渉を委ねていたと考えられるが、家康は薨去し、使節はスペインとの交渉を進展させることもできなかった。

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家康の死 ”鎖国”の江戸時代へ

家康の死後、幕府の対外政策は厳しさを増し、二代将軍の秀忠は西洋諸国との貿易を平戸、長崎のみに制限した。その後、日本人の海外渡航すら禁じられた。

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三河一向一揆を経験している徳川家康は宗教の恐ろしい側面を知っていた他、禁教令を発布した当時、オランダとの貿易関係が好調。クレインス教授は「オランダ人は基本的に商人、布教活動にあまり関心は無かった」と話す。佐藤二朗は「家康は外交で多くの国と関係を構築しようとしていたからこそ、選択肢があり、そこから最善の結果を導き出そうとした」などと語った。また、家康の外交路線が継続していたら、鎖国は起きず、日本が貿易立国になっていたことも考えられるといい、佐藤は「『べらぼう』の内容は大きく変わっていた」と締めくくった。

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(エンディング)
次回予告

「歴史探偵」の次回予告。

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