- 出演者
- 池上彰 宇賀なつみ 三田寛子 伊集院光 ケンドーコバヤシ カズレーザー 大友花恋 影山優佳 浮所飛貴(美 少年)
昔と比べると便利になったものなど世の中の変わったことについて解説する。
買い物は昔はレジで現金払いが当たり前だったが、今はセルフレジや電子マネー決済などが増加。スマホがレジ代わりになるレジゴーを導入している店やカメラとセンサーで買ったものをAIが判断しスキャンなしで会計ができる店などもある。福岡県のスーパーなどで実証実験中なのは顔認証による会計。
買い物などは便利になっているが一方でコミュニケーションが減って味気ないという声もある。今後は手ぶらでお金を引き出すことができる顔認証のコンビニATMなども普及していくとみられる。顔認証は目・鼻など特徴を捉えるため化粧の変化は問題はない。ただケガなど変化があった場合はロックされる可能性があり、一度データを盗まれると設定し直すことが難しいなどの課題もある。
昔は出前は電話注文で宅配は不在だと受け取れなかったが、今は宅配はネット注文が主流で置き配や宅配ロッカーが普及している。さらに現在ロボット配送の実証実験が行われている。利用者だけがアプリで鍵を開けられる。
昔は電車は切符が主流だったが、今はスマホやICカードをタッチするだけ。最近ではクレジットカードで通れる自動改札も増えている。JR大阪駅では顔認証の改札の実証実験が行われている。車に乗る時も昔はドアやエンジンは鍵を使用していたが、今はスマートキーなどが主流になった。バスでは自動運転の導入が進んでいる。現在研究開発が進んでいるのは倒れないバイク。さらに駐車場も進化している。現在増えているのはスマートパーク。自動運転の導入が進むと二次元コード標識の導入が検討されている。一方、オートマチック車の普及で踏み間違い事故が増えたという指摘もある。去年7月から特定小型原付という新区分ができたが、特定小型原付の違反や事故が増加している。原因の一つと言われているのは決まりが浸透していないこと。
今、メロディが流れる信号機は減少している。騒音などの問題があり、2003年以降は鳥の鳴き声のような音が推奨されている。現在はアプリと通信する信号機もあり、スマホの操作で歩行者用青信号を延長することができるところもある。
外国人とのコミュニケーションはスマホやパソコンの翻訳アプリであっという間に通訳が可能になり、記者会見もイヤホンを通して同時通訳されることも増えてきた。都庁前駅などでは翻訳を字幕化するディスプレイが導入されている。
銀行を利用する際、昔は振り込み用紙に記入し窓口で印鑑・通帳などを渡すなどの工程が必要だった。現在はATMやスマホ・PCから24時間いつでも振り込める。昔と比べて便利になったがシステムは変わっていないという。全国銀行データ通信システムで金融機関とネットで結ばれ振り込みなどをオンライン処理される。情報は日本銀行に送られ残高を増減し決済が完了させている。
- キーワード
- 全国銀行データ通信システム日本銀行
クレジットカードを使用する時は専用端末への挿入やタッチで支払いが完了するが、昔はカードを店員に渡し店員はカード会社に有効かを確認・転写し伝票をカード会社に送付していた。近年はカード番号などの記載がないナンバーレスカードも登場している。
国は外国人観光客を呼び込む狙いや人手不足の解消などを背景にキャッシュレス化を進めている。キャッシュレス決済はCO2排出量が現金支払い時の約3分の1という試算もある。一方、スマホ決済を悪用した新たな詐欺や犯罪も増加している。
キャッシュレス化が進む一方、今年7月には新紙幣が20年ぶりに発行される。お金が出回ることで経済を活性化させる狙いや偽造防止が理由。新紙幣には世界初の3Dホログラムが取り入れられている。新紙幣は約20年ごとに発行されるが技術の継承も背景にある。紙幣の原版は職人が手作業で彫っている。
最近は様々な社会問題を解決する技術も多く生まれている。防犯カメラなどの普及が進み侵入窃盗の数は減少しているが、無人店での万引きや賽銭泥棒などが度々ニュースになっている。そこで開発されたのが賽銭泥棒対策に不審な行動をAIが検知する技術。さらに不審者をドローンで追跡するサービスもまもなく始まる。一方で監視社会化が進んでいるという側面もある。
- キーワード
- 甲府市(山梨)
環境問題などを考えて様々な発電方法が開発されている。垂直軸型の風力発電は水平軸型より強風に耐えられ全方向からの風を捉えられる。他にも騒音が少ないなどのメリットがあるがエネルギー効率は水平軸型に劣る。さらにスペインの会社が開発した羽根のない風力発電も登場している。
- キーワード
- スペイン
コンクリートの老朽化問題で期待されている技術はヒビが自動修復するコンクリート。製造段階で休眠バクテリアとポリ乳酸を配合しており、ポリ乳酸を食べたバクテリアが出す炭酸カルシウムで自動補修される。一般的にコンクリートの耐用年数は約50~60年だが、自動修復するコンクリートで寿命が延びることが期待される。
最近の建設現場では重機を安全な場所から遠隔で操作できるようになっている。さらに自動運転する重機もある。自動重機に時間規制はないため最大70時間連続の作業も可能になり人手不足の解消にも役立っている。
現在、脳波で操作できるロボットの実験が行われている。検出した脳波のデータをAIが短時間で解析し、頭で念じた言葉や動きをロボットが表現する。将来的には接客などへの活用を目指している。
- キーワード
- WITH ALS
医療現場では3Dプリンターで血管や神経を作製できる時代。患者に移植したところ指などの神経機能が回復した。さらに今年、世界が注目する施設が開業。太陽光の10億倍の明るい光を発生させることでナノレベルの物質の状態などを観察できるようになった。
- キーワード
- さくらんぼ
食品の映像からAIが味を推定し再現。食品に吹き付ければ味が共有できる研究が進められている。他にも研究が進む「エレキソルト」は微弱な電流を流しナトリウムイオンを集め塩味を強く感じさせる食器。この研究は去年イグノーベル賞を受賞。今年夏前ごろの販売を目指している。
高齢者のみの世帯が増加している今、老老介護や孤独死などが問題になっている。パジャマのセンサーで心拍などを検出し、異変があれば家族にアラートを通知されるシステムなど高齢者を見守る最新技術も出ている。他にも二次元コードを洋服などに貼っておけば読み込まれると同時に家族へ通知が届くシステムの導入を進める自治体も増えている。さらに電話をかけて認知機能のチェックができるサービスもある。AI搭載の車椅子ロボットも登場し、エレベーター設置の10分の1ほどの費用で済むため高齢者の新たな足になることが期待されている。
日本は理系人材が不足しているという問題がある。博士号の取得者は少なく、技術者が少ないことから世界から取り残される懸念がある。先進国の中でも日本は低学歴国だと言われている。日本企業の2割は博士課程修了の採用がゼロで、正規雇用の枠が少なく非正規で働く研究者もいる。他にも女性は理系が苦手だという偏見も理系が増えない原因の一つ。しかし世界81の国・地域の15歳の女性の成績を比較すると日本はトップクラスの学習力を持つ。日本は研究者の数が横ばいで、注目度の高い論文数でも90年代前半は世界3位だったが現在は13位にまで落ち込んでいる。国は急ピッチで理系人材を増やそうとしている。