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番組は宮越家の12代当主の宮越寛さんの案内で件のふすま絵を見せてもらった。今回ふすま絵の謎を一緒に解くのは漫画家・文筆家のヤマザキマリさんだと紹介された。ふすま絵は9代当主が1922年に購入したもので、狩野派の絵師が描いたものだという。大英博物館のふすま絵と宮越家のふすま絵にはつながるところがあり、飛んでいる鳥の構図にも連続性がある。またふすまの引手のデザインも一致している。
ロンドンの大英博物館で特別にふすま絵を収蔵庫から出してもらい見せてもらった。山下善也は宮越家と大英博物館のふすま絵を見て、共通の筆使いを覗うことができたという。
番組では別の視点でも共通点を探ってみたという。元大英博物館の修復師の杉山恵助さんに紙の大きさを測ってもらって一連の作品なのかを検証してもらったという。また大英博物館と宮越家のふすま絵の共通点についてヤマザキマリは「対になっているかは実物を見ないとだめですね」と語った。
ふすま絵がイギリスに渡ったのは1930年代の後半で、仕掛け人は美術商のオットー・ブルハルトだったという。美術商の歴史を研究しているフレッチャー・コールマン博士は、当時のブルハルトがどうして日本の美術品に目をつけたのかという背景について語った。
宮越家のふすま絵は都内で購入されたもので、9代目当主の宮越正治が購入したことがわかっている。ヤマザキマリらは宮越家を訪れてふすま絵を見せてもらった様子が伝えられた。大英博物館の裏の面とされているふすま絵は学芸員のシャーマン・リーが狩野派の絵を求めていたことから手に入れたという。そしてシャーマン・リーが絵の購入者へ宛てた手紙も見つかったという。そしてふすま絵がどのようにしてシャーマン・リーやオットー・ブルハルトへ流れていったのか解説された。
ふすま絵についてヤマザキマリと長谷川史佳は「美術が持つ側面というのはさまざまあるんですね」と語った。調査ではふすま絵は奈良の談山神社にあったとされたことがわかっており、大英博物館での調査ではふすまの配置に関する重要な文字も見つかっている。
宮越家と大英博物館とシアトル美術館が所有するふすま絵は全て同じ絵師が手掛けたものではないかと山下善也さんは考えているという。そこで宗眼重信ではないかと山下善也さんは語った。ヤマザキマリは「日本の美術は日本の美術でものすごいポテンシャルをもっていることがわかりましたし、見る人を驚愕させる」と感想を語った。