- 出演者
- 片岡信和 板倉朋希 羽鳥慎一 齋藤寿幸 菊間千乃 松岡朱里 斎藤幸平
オープニング映像が流れ、出演者が挨拶をした。
猫の前で飼い主がおもちゃを投げると、素早くダッシュしおもちゃを口でくわえて飼い主の元へ持ってくる。おもちゃを取って戻って来る姿は、まるで犬のよう。
投げたおもちゃを取って来る猫。なぜこうした行動を取るのか、横浜青葉どうぶつ病院の古田健介院長は「猫が動くものを追いかけるのはよくあるが、取ってくるのは珍しい。投げられて取ってくる一連を楽しんでいる」という。
きのう台風22号が接近した小笠原諸島の父島では、最大瞬間風速26.1mと今年一番の強い風を観測した。台風は現在西寄りに北上しており、あす以降東へと急カーブしあさってには非常に強い勢力まで発達すると予想され、暴風域を伴い関東へ接近するおそれもある。東京都目黒区自由が丘では、先月襲った大雨の爪痕がいまだに残っている。スーパーや日用品店が入り多くの人が利用していた商業施設は、約1カ月がたった今も休業が続いている。先月1時間に134mmの猛烈な雨が降り、東急ストアによると地下の変電施設が浸水し電力供給が停止した状態で、営業再開のめどが立っていないという。
台風22号は発達しながら北上していて、きのう朝の時点では小笠原近海にあった。伊豆諸島でもこのあと波が高くなるため、注意が必要。台風付近の海面水温が高く、勢力を維持し発達しやすい状況にある。この後は非常に強い勢力に発達して、伊豆諸島を直撃する。大雨、暴風、高波、高潮など災害が発生する恐れがあり、早めの備えが必要。進路によって千葉県や茨城県でかなりの暴風が予想され、警報が発表される可能性もある。八丈島では一時的に線状降水帯が発生する恐れがあるため、木曜日の朝は特に注意が必要。台風の平年の発生数と接近数のグラフを見ると、8月9月が一番多いが次いで7月と10月も多くなっている。今年は海面水温が高いため、このあとの10月と11月にかけても台風に対する警戒が必要となる。
ノーベル生理学医学賞の受賞者がきのう発表された。大阪大学・坂口志文特任教授ら3人が選ばれた。日本人29人目の快挙。坂口氏の研究は、免疫が自分自身を誤って過剰に攻撃することにブレーキを掛ける「制御性T細胞」を発見。7年前に玉川徹が坂口氏を取材していた。
大阪大学に車で登場した坂口氏。にこやかな表情で会場に直行した。坂口氏は「うれしい驚きといいましょうかと言うことにつきる」などと述べた。ノーベル賞の受賞が決まった坂口志文氏、74歳。日本人個人の受賞は4年ぶりとなる。ストックホルムの発表会見では、受賞者への電話連絡について「お一人だけ連絡が取れました。坂口志文さんです。研究室にいらっしゃってたいへん光栄なことだと感謝されていました」とやりとりがあった。電話を受けた時に一緒にいたのは妻・教子さんだった。アメリカ留学当初、研究が認められず逆風が吹いていたとき教子さんが実験のサポートを続けた。夫婦二人三脚で追い求めた研究が実を結んだ。
坂口氏が発見した制御性T細胞とはどんなものなのか。2018年、坂口特任教授を玉川徹が取材していた。制御性T細胞は正常な細胞まで攻撃しないよう免疫を調整・制御する役割を持つ。接触性皮膚炎のマウスの画像(制御性T細胞投与前と投与後)を比較すると皮膚の炎症が抑えられていることが分かる。制御性T細胞の働きを強めることで花粉症などのアレルギーや自己免疫疾患を抑えられる可能性がある。制御性T細胞の働きを弱めるとがん細胞への攻撃が強まり、がん治療につながると期待される。制御性T細胞を利用した治療法について坂口氏は「どんな田舎の病院でも使える治療法が作れれば本当はそれが一番よろしいかと思われる」などと述べていた。
坂口氏の研究の原点となったのは愛知県がんセンター。当時26歳の坂口氏は京都大学大学院の博士課程に進んでいたが大学院を中退。愛知県がんセンターの研究性になると決断した。愛知県がんセンター・井本研究所長は「面白いからやってみようという気持ちが大きな研究成果につながるんだなと。受賞されるまで48年ということで。研究に打ち込むのが大切」などと述べた。坂口氏は「『何事にも時間がかかる』これが自身の人生から得た教訓です」などと話していた(JT生命誌研究館サイエンティストライブラリーから)。坂口氏のノーベル賞受賞に、2012年に生理学医学賞を受賞した京都大iPS細胞研究所・山中伸弥教授は「ご業績に心から敬意を表します」、2018年に生理学医学賞を受賞した京都大学高等研究院・本庶佑特別教授は「坂口先生は京都大学医学部の後輩で同じ免疫学のT細胞の制御に関する分野なので特に誇りに思っています」などとした。会見中、石破総理からの祝電があった。石破総理は電話がつながっていると知らず慌てて話し出す場面もあった。頑固にやってきたという坂口氏は会見の中で続けることの大切さについて話していた。坂口氏は座右の銘「一つ一つ」について「あまり高尚な四字熟語じゃないんですけどあえて言えばそういうことになる」などと述べた。子どものころについて「普通の子どもだったと思います」、兄・偉作さんは「やっとかちゅう感じ」などと語った。約10年ノーベル賞候補となっていた。坂口氏の母親は1年前に亡くなった。偉作さんは「あと1年もう1年長生きしてほしかったなという気持ち」などと述べた。
菊間は「免疫って私たちにすごく親しみのあるワード」、「自分を貫かれてやってこられた、それが認められるってやっぱり喜びもひとしお」、斎藤は「研究者の端くれとして一つのことを突き詰めるってすごいことだなと思う」などとコメントした。
東急田園都市線の梶が谷駅で起きた衝突脱線事故。事故から丸一日経ったきょう午前0時ごろ運転が再開した。きのうは始発から運転見合わせとなり通勤通学などで混乱が続いた。渋谷駅のバス停には並びきれず道路にはみ出して通勤客が並んでいた。接続のある東急大井町線も二子玉川駅から溝の口駅が運転見合わせになっていた。二子玉川駅前の橋を多くの人が歩いていた。宮崎台駅から歩いた大学生は「橋の上すごい人がいて結構大変でした」などとコメントした。駒沢大学駅付近の電動キックボードが60台ほど停められる場所には1台しかなかった。きのう午後5時ごろ運輸安全委員会の担当者・小澤さんは「本日中に終了するのは難しいと考えている」と語った。帰宅ラッシュ時間になっても田園都市線の駅周辺は混乱が続いていた。バスだけでなくレンタルできる電動キックボードにも影響があった。
きのう午後8時の二子玉川駅から溝の口駅方面へ向かう橋の入口。たくさんの人が川崎方面へ歩いて向かっていた。人だかりで前に進めない状態が続いていた。宮崎台駅からお台場の会社に出勤した男性は「(会社まで)本来なら1時間半ぐらい。倍はかかった」などと述べた。二子玉川駅から溝の口駅まで徒歩、バスを乗り継ぎ帰宅する60代男性を取材した。登山靴で歩く。歩道も大混雑。道幅も狭いためゆっくり歩く。約5分で渡れるところが30分かかった。三軒茶屋駅でスーツケースと楽器を持ち歩く女性も歩いて移動していた。女性はライブに間に合ったが、田園都市線運転見合わせの影響で予約客5人がキャンセルになった。
影響が広範囲に及んだ衝突事故。事故はおとといの午後11時すぎに発生した。回送列車はオーバランを防ぐ信号が作動したため、所定位置より手前で停止していた。そこに入ってきた普通列車が回送列車の最後尾と接触した。ぶつかった時、普通列車は時速48kmだったという。衝撃で回送列車は一部の車輪が脱線。回送列車は指導係が付き添いのもと見習い運転士が運転していた。東急田園都市線はきょう始発から平常通り運転している。約65万人に影響が出た。
事故の要因(1)「オーバーランを防ぐ信号を受信し停止、最後尾の車両が線路側にはみ出る」、(2)「ATCなどが作動せずに普通列車が線路へ侵入か」。東急電鉄によると運転士の養成には約9カ月かかるという。約4カ月の学科講習、約5カ月の技能講習を経て免許が交付される。回送列車を運転していた見習い運転士は技能講習の途中だった。工学院大学・高木教授によると「オーバーランはプロでも起こりえること。最大の問題はなぜ車両同士が衝突したか。ATCなどが作動しなかった恐れがある」などと指摘した。菊間は「原因究明しないとまた同じようなことが起こったらこんなに沢山の人が迷惑を被る」、斎藤は「見習い運転士の方のメンタルが心配。しっかり究明していただきたい」などとコメントした。
大阪大学の坂口志文特任教授がノーベル生理学医学賞に選ばれた。先程、坂口特任教授が大阪大学を訪れ職員らに出迎えられた。制御性T細胞を発見した。関節リウマチ、アレルギー、がん治療につながる革命的な進歩をもたらすことになる。
科学ジャーナリスト・寺門和夫に話を聞く。視聴者からLINEで質問・意見を募集中。パネルコーナーはTVerとABEMAで見逃し配信をしている。
ノーベル生理学医学賞の受賞が決まった大阪大学の坂口志文特任教授は滋賀・長浜市生まれ。アメリカ国籍取得者を含む日本人の受賞者は29人目。授賞理由は「免疫が制御される仕組みの発見」。「新たな治療法の未知を開いた」などと評価されている。寺門は「非常に画期的な研究だと思う」などと述べた。生理学医学賞は利根川進氏、山中伸弥氏、大村智氏、大隅良典氏、本庶佑氏が受賞してきた。坂口氏は6人目の快挙となる。坂口氏が発見したのは制御性T細胞で攻撃にブレーキをかける。斎藤は「面白いですね、細胞の中に役割分担があってお互いコミュニケーションみたいなのをとってバランスをとろうとしてくれるとか」、菊間は「バランスが保たれれば健康でいられる」などとコメントした。
リウマチ、1型糖尿病、花粉症、ぜんそくなどアレルギー、臓器移植後の拒絶反応などは制御性T細胞のブレーキの働きを強めることで抑えられる可能性がある。花粉症は体の免疫システムが花粉を異物と認識して過剰に反応することで引き起こされる。花粉症治療の未来では、制御性T細胞を増やす薬を服用すると翌年の花粉シーズンの花粉症の発症を防ぐことができるという。がん治療の研究では制御性T細胞ががん細胞を攻撃する免疫細胞にまでブレーキをかける。制御性T細胞を弱めてがんに対する免疫細胞の攻撃を強めることができる。制御性T細胞を使った治療薬の開発に向け世界で200件以上の臨床試験が進行中。坂口氏は「有効な治療法は必ず見つかる。予防法も見つかると信じている」などと話している。寺門は「非常に素晴らしいこと」、「論文が出て制御性T細胞が認められるまで30年かかっている」などとコメントした。
菊間は「日本は免疫学に関しては非常に層が厚いらしくて色んな方の努力の先にゴールにたどり着いた。ラグビーのトライを決めたような感じがしている」、寺門は「日本には先生方いっぱいいらっしゃる」、斎藤は「超人的なこと。研究費ってないと理系の場合は研究できない」、寺門は「持続する、これもまた研究者として必要な資質」などとコメントした。
坂口氏の人物像を紹介。京都大学で哲学を学んだ父の影響もあり文系志向だった。中学時代は美術部。高校時代は徐々に学校に行くのが面倒になり授業には出ず自宅で勉強していた。大学進学の際に父親に「理系の方が有利」と言われ、母が医者の家系で医学に親近感もあった。「精神科なら哲学もできる」と医学部を目指した。予備校へ行かず、参考書と問題集で勉強した。大学進学後、講義で免疫学に出会い、「自分と他者をどう区別するのかとても哲学的だ」という考えになったという。斎藤は「世界観として相反するものがバランスをとって保っている状態が人間の健康なんだっていうのは哲学的」、菊間は「自分のけがをみながら考えたことがない」、寺門は「自己と非自己ということをある程度哲学的に考えながら研究されている方が多い」などとコメントした。大学院に進学したが、興味があった免疫学の研究を深めるため1年半で中退した。1983年に渡米、精力的に論文を発表するも当時主流だった免疫学の考え方と異なり疑いの目を向けられたこともあった。妻・教子さんも研究者で、よき理解者であり支援者だった。教子さんも科学誌「Nature」に論文を発表するほどの研究者だった。1995年に制御性T細胞の存在を証明する論文を発表した。今後について坂口氏は「人の病気の治療・予防につながることもやっていきたい」などと述べている。