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千葉市緑区にあるネット専用スーパー「グリーンビーンズ」。こちらでは5万種類の商品を扱っている。施設を管理しているのはAI物流システム。人が商品を仕分け重さや形などのデータを記録。お客さんが専用アプリを使用し、商品を選ぶとAIがお客さんに届ける最善の方法を選択。ロボットが商品をピックアップすると、AIが商品数や場所などを示し人がパッキング。また通常袋詰や箱詰めの際に考える「重いものは下に、軽いものは崩れやすいものは上に」とぃう判断もAIが行なうという。またAIを使うことはドライバーにもメリットがある。入社8ヶ月目のドライバーである下村さんは商品についたバーコードが積み込みの順番や配達の道順なども示してくれる。AIの活用で新人のドライバーもベテランドライバーと遜色なく働ける。また配達時間を1時間毎にすることで不在率が1%未満になっているという。
2024年に始まった物流業界の働き方改革により、ドライバーの労働時間が規制され、年間の時間外労働は960時間までに制限された。これによりドライバー不足が深刻な問題になっている。それに反するようにネット通販の需要はこの10年で倍になっている。これに関して専門家である東京大学の羽藤教授は10年後20年後には暮らしが成り立たなくなる可能性もあると指摘する。そこで常識を変える革命児たちに密着する。
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オープニング映像。
40%、この数字はトラックの平均積載率で効率が良くないという。
神奈川県相模原市で行われた新しい物流システムの説明会。47社の荷主が集まった説明会を仕切るのは物流会社NLJ(NEXT Logistics Japan)の梅村幸生社長。多くの企業が注目するのがトラックの荷台の使い方。梅村さんは多くの商品をトラックの荷台に乗せ効率を高める混載を進めているという。一般的にトラックは契約したメーカー1社だけの商品をトラックに乗せる。当然積載量には日々ばらつきが出て、平均すると40%ほどになるという。この日NLJのトラックは70%を超える積載率、年間平均では63%と物流業界では異例の数字となる。荷主は荷物の多少にかかわらず、払う金額は同じ。したがって複数の荷主の荷物を運ぶ混載を行えばコストダウンに繋がる。また物流業界には昨年始まったドライバーの残業制限が課題になっている。仕事は楽になるが賃金は減ってしまう。また1日の乗車時間は13時間以内で、その後9時間以上の休息を必要とする。あるドライバーは戻ってしまった場合13時間を超えるため、車内にとどまっている。そのため帰宅もままならない。こうした問題解決のため、NLJはダブル連結トラックを導入。1台の車に荷台を2つつなげることで積載量を大幅にアップさせる。
“W連結トラック”をどのように使用しているのか。NLJの物流拠点は主に神奈川県相模原市と大阪府箕面市にある。ある日の仕事、大阪を出発したトラックと神奈川から来たトラックが中間地点である愛知県豊田市に到着。神奈川から来たドライバーは大阪から来たトラックに、大阪から来たドライバーは神奈川からのトラックに。中間地点でドライバーを変えることで、それぞれが自分たちの拠点に帰っていく。これにより通常往復13時間以上掛かるはずが、自分の家に帰ることができる。さらに混載輸送で積載量を増やし運賃収入を増加させることにも成功した。
物流業界の体制にメスを入れてきた梅村社長は日野自動車でマーケティングを行っていたが、トラックがあってもドライバーがいなくて荷物が運べないといった歯がゆさを感じていたという。そんなタイミングで日野自動車がNLJを設立、梅村さんは課題の解決を託され社長に就任した。さらに梅村さんは自分のお子さんが成長した時に荷物が運べない、経済が成り立たないということを避けたいと考えたという。
ある日、梅村さんたちは新プロジェクト「ネロス」に関するミーティングを行った。このネロスは積載率を高めるため荷物の積み方などの最適解を出すシステムだという。積載におけるルールをシステムに組み込むことで自動で最適解を出すものだが、多くの物流企業ではこの荷物の積み方に1日数時間を費やしている。ネロスはこれを40秒に短縮できるという。NEXT Logistics Japanではこれを他の物流企業にも販売しているという
別の運送会社ではW連結トラックの育成に力を入れている。鴻池運輸の遠藤比奈乃さんはW連結トラックの日本初の女性ドライバーを目指す。この日は群馬県から静岡県までおよそ240キロを走る。清水パーキングエリアはW連結トラックが10台停められるほどのスペースがある。この日はバックでの駐車を練習する。前後の車両で別の動きをする車両をミラーとカメラを駆使して操る遠藤さん。正確に停めるまで、この日は6分を要した。
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一方NEXT Logistics Japanでは遠隔システムで監視する自動運転の実証実験を行った。これが実用化すれば24時間無人で荷物を運ぶことが可能になる。物流は日々進化する。梅村さんは日々課題を解決していくとしつつも、自分たちだけでは難しくや関係者とのタイアップが必要だとした。補足説明としてパックンは邦が自動物流道路を作ることを計画しており、これにより1万2000人から1万7000人の労力になるとした。
東京ミッドタウン日比谷、欠かせないのが空調設備。こうした施設の空間づくりには多種類で膨大な設備が必要となる。これらを手がけるのは1930年創業の新日本空調。新日本空調では建設会社からの依頼を受けてメーカーにパーツを発注、現場で設置することが仕事となる。限られたスペースしかない建設現場で設備を組み立てて設置するのは非常に困難だが、これを可能にしたのは物流の力だった。現場を指揮する畦地哲男さんは仕事を減らし生産性を向上させ人手不足を解決することが大切だと語る。カギを握るのは千葉県習志野市にある鴻池運輸が管理する倉庫。ある空調設備の打ち合わせ、この日は東京・中央区にある第一生命京橋キノテラスの空調設備の設置。搬入口も狭く、搬入・設置は難しい。習志野市の倉庫では数十のメーカーの空調機材が置かれている。これまでは各メーカーが現場に搬入することでトラックの数も多く、入れないトラックが待機することも多かった。しかし倉庫で一元管理しまとめて搬入することで、トラックは最小限にしタイムロスもなくなった。また、倉庫内である程度の組み立てを行なうなどし、設置の効率化を図る。実際に現場では搬入は4分の1になり、エレベーターの使用も短縮。さらには設置もスムーズに行うことも出来、細々とした作業も事前に進めることで、設置のみに集中できる。現場の作業量は30%削減できたという。また鴻池運輸では建設現場だkでなく、空港関連サービス、医療機材の洗浄など事業を広げている。2024年問題で苦戦する物流企業が多い中、鴻池運輸の利益は増加。
鴻池運輸の仕事の最前線に密着。場所jはメキシコ、ここで行われる期待を超える物流とは。
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鴻池運輸の仕事の最前線に密着。場所jはメキシコ、ここで行われる期待を超える物流とは。古田裕一さんはメキシコ第二の都市グアダラハラを拠点としている。もうすでに25年メキシコにいるという。鴻池運輸のメキシコ拠点は2014年設立、現在50人が働いている拠点は三ヶ所、自動車産業に主に関わっているという。もともとは自動車の輸出入に携わっていたが、現在その事業は1割ほど、しかし売り上げは10倍になっている。ある日古田さんが訪れたのは自動車エンジンの部品メーカー。この日は設備の設置や移動などを行なう「据え付け」を行なうための調査を行った。本来物流の枠を超えない仕事だったが、電気の設置などを依頼された。そこで専門の職人を探し困りごとを解決。これを機に本格的に据え付け事業に乗り出したという。事務所には据え付けに使う道具が置かれ、リモコンで動くフォークリフトも完備。現在では巨大な事業所の据え付けも行っている。物流に加え据え付けという付加価値をつける、この事業が現在売り上げの8割となり、本業の物流を遥かに上回る。さらに古田さんはメキシコで道路を作ったという。従業員専用道路を作ったのだとか。古田さんは物流の枠を超え、新たな事業に乗り出している。
世界各国の車メーカーが進出するメキシコで古田さんは自動車などのパーツを傷つけないように運ぶ「通い箱」に関する事業を立ち上げた。通い箱は部品を傷つけないように使用する資材からスペースの作り方など細部に拘った特注のものを作ったという。また作業員のことも考え、作業効率を図っているという。通い箱は使いやすく製品を傷つけないことが大切。この改善のため、古田さんはカナダ・トロントにあるオーダーメイド工場に向かった。実は古田さんは鴻池運輸とカネパッケージが立ち上げたこの会社の社長。今まで外注していたデザインも自社で手掛けられるようになったという。この会社の工場はメキシコにもあり、北米自動車ベルトを網羅する。しかし新年早々、ある問題が発生した。
トランプ大統領の就任によりカナダ・メキシコへ大きな自動車関税が掛けられる可能性が出てきた。これにより金融機関の調査が入ることになった。古田さんはこのあとアメリカに飛ぶという。これからも信頼のおける仲間とともに古田さんは仕事を成長させる。
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現在大型免許を取得している女性は14万6000人いるが、ドライバーとして就業しているのは3万人だという。北海道札幌市の運送会社。24歳、キャリア6年のドライバーだという女性。彼女はこの日点呼やアルコールチェックを行い富良野へ向かう。途中ドライブインで写真を撮影、SNSに投稿する。彼女はフォロワー35万人のインフルエンサー、トラックめいめいの名で知られている。。朝夕2回、毎日SNSの投稿を繰り返すことdえ人気を得たという。トラックドライバーにとって荷物の積み下ろしも大変な作業、これは多くのドライバーの負担となる重労働だが、彼女は気持ちいと意に介さない。この日は30トンもの荷物を運搬。
トラックドライバーでありインフルエンサーでもあるトラックめいめいさん。彼女は働いて消費した分のカロリーを接種するその食べっぷりもSNSで好評。投稿の内容は楽しんでいる様子ばかり。ただそんな彼女も学生時代は周囲に馴染めないこともあった。一人でできる仕事として選んだものの、結果として多くの人と出会うことにつながったという。社長の永吉さんはドライバーを増やすことは業界全体の課題で、彼女のアプローチを高く評価しているという。
北海道の運送会社の社長である永吉大介さん。北海道は時期によって仕事量が大きく変わると語る。だからこそ、トラックめいめいさんの発信力は大きいという。実際にトラックめいめいさんを見てドライバーになった三上さん。楽しそうなトラックめいめいさんの姿を見て決断したという。彼女に刺激を受けてドライバーになった人は全国にいる。現場からの底上げが未来の物流を救う。