- 出演者
- 劇団ひとり 森田茉里恵 野口聡一 原菜乃華
オープニング映像。
今日のゲストは「あんぱん」出演中の原菜乃華。番組名の「2030」について、人類は2030年代に月面基地で活動する予定だと野口が説明した。今回は、日本科学未来館で行われている「深宇宙展」の会場からお届け。原はアニメ「チ。」を見て、宇宙に興味が湧いたとのこと。
2027年約半世紀ぶりに宇宙飛行士が月面に着陸予定。月に向かう目的の一つが資源探索、最も重要なのが”水”。飲水だけでなく、電気分解することでロケットの燃料として使おうという。水を使えれば人類が基地を造り活動できる可能性がある。さらに、最新の研究では様々な希少資源があることも分かってきた。その一つがチタン、今後地球で取れる量の100倍を有に超える1000億トン以上のチタン鉄鋼があると言われている。国や民間の無人着陸船が今続々と月へ資源調査に向かっている、いち早く着陸した民間企業が「INTUITIVE MACHINES」。無人機の場合通常1か月ほどかかる月への道のりを、協力なエンジンで1週間に短縮。資源が豊富な月の南極に、民間企業で初めて着陸した。しかし、着陸船が横倒しとなったため月面の探索まではできず。月の表面はデコボコだらけで斜面も多く、まっすぐに降り立つのが難しい。今年再び月の南極に向かったものの、またも着陸船は横倒しに。そんな中、完璧な月着陸を決めたのがアメリカの民間企業「Firefly Aerospace 」。着陸船はすぐさま月の調査を開始、内部温度を計測しNASAに報告した。
日本も去年、世界初のピンポイント着陸を決めその名を轟かせたのが「SLIM」。水が眠る南極で太陽の光が当たる場所は、小高い丘に限られる。着陸船は太陽光で発電して動くため、光が当たる場所に正確に着陸する必要がある。SLIMは、月面を撮影した画像を元に進路を自動修正して着陸地点に向かった、その誤差は55m。SLIMに続けと2度目の月着陸に挑戦したのが、日本の「ispace」。月へ物資を配達する事業を目指している。様々な荷物を積んで月着陸の時を迎えたが、月面まであと192mで通信が途絶えてしまった。高度計の誤作動で墜落したと見られていた。それでも、社長の袴田さんに落胆の表情はなかった。
1969年7月20日人類が初めて月に降り立ったが、なぜ今月面着陸は難しいのか。野口さんによると、無人機で着陸するから難しいと話し、宇宙飛行士を乗せて行ったほうが早いのではという意見には、将来の活動を見据えて無人で着陸させるほうが先決だとのこと。また、人類が月を目指すワケについて、1つ目は「月は地球のタイムカプセル」だとし、地球は地形や地表が変わるが月は大気がなく地殻変動が少ないため、月であれば地球や惑星の歴史がわかるのではないかとのこと。
月を走る予定の、有人与圧ローバー。宇宙飛行士2人が最長1か月調査可能だという。空気のない月でも、この車の中では宇宙服を脱いで生活可能。2031年の実用化を目指す。また、月面に拠点を作る理由のもう一つは、火星に行く前の予行演習。
イーロン・マスク率いる、SpaceXの一大拠点「スターベース」。そびえ立つのは人類を月や火星に運ぼうという、巨大宇宙船「スターシップ」。燃料を積む下段のロケットと、人が乗る上段の宇宙船が合体すると全長121m 。最大で100人が乗れる設計。打ち上げテスト前日、発射場の周りは熱気に包まれていた。イーロン・マスクが目指す火星は、大気と水があり人類の移住先として研究が進んでいる。スターシップは人類を直接火星に運ぼうというもの。1回目の打ち上げテストは2年前。打ち上げから4分で大爆発してしまったが、7か月後に2回目のテストを実施。ここで、燃料の入ったロケットと宇宙船の切り離しに成功した。なぜこんなに早くテストできるのか、高価なスターシップの予備が既に何台も用意されているから。そして2回目のテストから4か月後、宇宙船はついに宇宙空間に到達した。究極の目標は宇宙船とロケットを全て再使用すること。そして、今年5月9回目の打ち上げテスト。スターシップは2029年に人を火星に送ることを目指している。
火星は地球と比べ100分の1程度の大気が存在している。将来的に植物などを植えることが出来るようになる可能性もあるとのこと。
アメリカのローバーが現在2台火星で活躍している。最新のローバーはこれまでに100万枚以上の写真を撮って地球に送っている、アメリカでは次世代の火星ローバーを自作して、世界一を競う大会が行われている。今年、日本からも2チームが参加した。35の学生チームが集まった。今火星では、NASAが開発したローバーが活躍中。水の調査や、最近では火星に生命がいた可能性を示す大発見もした。大会は4つの課題で競い、審査に当たるのはNASAの関係者など。学生にとっては、NASAや宇宙関連企業への道が開けるチャンス。この大会に日本から2つのチームが参加した。まずは、20の大学が参加する連合チーム「KARURA」。リーダーは宇宙工学を選考する辻紅那さん。現在火星にいるローバーは荒れた大地を長距離移動することが苦手、タイヤの設計に拘り弱点を補うローバーを作った。もう1チームは東北大学と慶応大学が作る「ARES」。最大の特徴ロボットアーム。さらに360度可動の設計で、あらゆる課題に対応できるようにした。上位入賞を目指し、大会に挑んだ日本チーム。順調なスタートを切ったのはARES、ロボットアームを使う整備ミッションで高得点を獲得し初日で全体の2位につけた。しかし翌日、運搬中の交通事故でローバーが破損し途中棄権となってしまった。一方KARURAは、宇宙飛行士に物資を届ける配達ミッションに挑戦。自慢のタイヤの進化を見せる時だったが、スタート直後タイヤが砂の上を空回りしていた。これが大幅なタイムロスに繋がり物資を届けることができなかった。速度を上げるため機体を軽くした結果、タイヤが地面をつかめなかった。優勝はアメリカ・ミズーリ州の学生が作ったローバー。目を引いたのは金属をくり抜いて作ったタイヤ。
宇宙に飛び立つ最初の一歩を野口さんはどう踏み出したのか。野口さんと宇宙との出会いは、1981年4月12日スペースシャトル初めての打ち上げの際、宇宙飛行士を仕事として認識したことから進路指導の時には「宇宙飛行士」と書いたとのこと。しかし、このときはまだ日本人宇宙飛行士はいなかった。当時野口さんは、誰もやっていないことをやってみたいと思っていた。ここで、子どもたちからの質問に野口さんが応えていった。
野口さんは、子どもたちや原からの質問にタジタジだったと話し。原は、2030年という数字を聞いた時に現実味がなかったが、番組を通じて説得力を感じたと話した。2030年に本当に月に行くことになるんだろうと感じたとのこと。
エンディング映像。