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「大河ドラマべらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」では、蔦重が日本橋に店を構えた。今の日本橋もべらぼうで沸いていて、浮世絵が溢れ、関連したイベントも目白押し。べらぼうで、蔦重のもとで働く手代・みの吉を演じる中川翼が日本橋を巡り、その魅力を紹介する。
日本橋を初めて訪れたという中川。日本橋では、呉服屋、問屋、版元と呼ばれる出版社が軒を連ね、商売を行っていた。中川が待ち合わせたのは、中央区教育委員会の学芸員・増山さん。日本橋の歴史を研究している。まず、蔦屋重三郎が吉原から移り住み、新たに耕書堂を構えた場所を巡る。
耕書堂は、江戸のメインストリートにあった。蔦重のライバルである鶴屋や鱗形屋もすぐ近くに店を構えていた。全国から人が来て、錦絵や黄表紙をお土産に買って帰ったという。
増山さんが案内したのは、創業300年以上の刷毛やブラシなどを専門に扱う店。豚やイノシシなど、用途に合わせて様々な動物の毛を使っている。浮世絵は、分業で作られる。版元が絵師に絵を描かせ、それを彫り師が板に彫り込む。版木に摺り師が色を塗り、紙に刷り込んで完成する。店では、その際に使う刷毛も取り扱っている。毛は、馬の毛。コシがあり、絵の具の含みがいいという。店では今でも、摺り師の要望に合わせ、職人が一本一本丁寧に作っている。中川は、様々な職人の手をたどり、一枚の絵が出来上がることを学び、役に一歩近づけた気がするなどと話した。
耕書堂の跡地から徒歩約5分の場所にある呉服屋の2階には耕書堂の一部が再現されている。7代目の店主が葛飾北斎の絵を参考に趣味で作り、今年1月のべらぼうの放送に合わせて公開したという。
呉服屋の番頭・太田さんいわく、そろばんが商売上重要な役割を担っていたという。片方からは金額が見えないようになっており、この特徴を活かしてお客さんとの値段の駆け引きを行っていたとのこと。
蔦重が日本橋に店を構えた理由を探るべくクルーズ船で日本橋川へ。江戸時代の日本橋から江戸橋までの200m強には魚河岸があり、1日千両のお金が動くと言われるほどの賑わいだったという。当時の江戸の街は水路が張り巡らされ、様々な物資を船で運んでおり、その中心が日本橋だったという。現在も残る「江戸橋倉庫」は昭和の時代まで水路によって物資を運んでいたことの証拠だという。多くの人や物資が集まる日本橋だからこそ蔦重は耕書堂を構えた。
江戸から続くはんぺんを紹介。創業は元禄時代、300年続く老舗の練り物専門店。はんぺんはサメを使っている。ヒレを取ったあとのサメをそのまま捨てるのはもったいないことからはんぺん作りが始まった。皇室にも納めていたこともあるとのこと。
最後にやってきたのは扇子やうちわの専門店。この店は大正時代まで浮世絵の版元も兼ねていた。店の隣のギャラリーには版元として制作した浮世絵が展示してある。歌川広重が描いた浮世絵もうちわになっている。当時の歌舞伎役者のスキャンダルの浮世絵などもあり、文字が無くても遠回しに表現している。
歌川広重が描いた浮世絵の版木も展示されている。「名所江戸百景 柳しま」の場合13種類の版を重ね合わせて1枚の浮世絵ができる。作品のテーマを決める版元、具体的な絵にする絵師、忠実に版木に掘り込む彫師、鮮やかな色彩で彩る摺り師、それぞれが最高の腕を振るうことで評判を呼ぶ浮世絵が生まれた。
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- 名所江戸百景 柳しま歌川広重[2代目]
中川翼は、伝統を感じることができたり実用性がある先人の知恵をその場で感じることができて感慨深い、この先どこかで絶対いきてくると思ったと話した。
エンディング映像。