- 出演者
- 首藤奈知子
きょうは東京都議会議員選挙の告示日。首都圏ネットワークと連携して2週にわたり選挙の話題をお伝えする。きょうはSNS時代の選挙情報との向き合い方を考える。
オープニング映像。
先月、選挙候補者向けのSNS対策セミナーが都内で開かれた。都議選候補者や現職政治家など30人が参加した。SNS時代になり選挙戦略も大きく変わってきているという。選挙ではこれまで地盤(支援者数)・看板(知名度)・鞄(資金力)の三バンが重要とされてきた。これに加えてネット地盤が注目を集めている。さらに選挙の資金集めにもSNSの影響がある。政治家個人への寄付は有権者1人につき年間150万円まで行うことができる。SNSで知名度を高めることで全国から資金を集めようという動きもある。
過去10年間のメディアの接触時間の推移をまとめた調査結果によると、2022年に携帯・スマホがテレビを追い越し一番接触時間が長いメディアになっている。マスメディアのメリットは公平性・正確性、デメリットは情報量・限られた発信元。SNS・動画サイトのメリットは情報量・誰もがメディアとして情報を発信できること、デメリットは正確性。
街頭演説や国会の一部を切り取って編集した切り抜き動画は無許可の場合は著作権法違反にあたる可能性がある。切り抜き動画で生計を立てているという人もいる。切り抜き動画が注目されたのは去年11月の兵庫県知事選挙。当選した斎藤氏を支持する切り抜き動画が大量に拡散され選挙結果に影響した可能性が指摘されている。東京大学・鳥海教授は兵庫県知事選挙の際の投稿の変化を調べたところ、選挙前は不支持の動画の方が比較的多く投稿されていたが告示日直前に支持する動画の中にバズり動画が複数出現。すると告示以降、斎藤氏を支持する動画が急増した。再生数目的で人気のある人たちの動画を投稿していくケースもある。同じような情報をばかりに囲まれることをフィルターバブルという。
SNSで選挙情報と付き合っていく上で気をつけるポイント「た・し・か・め・て」を紹介。「た:たどってみよう、発信元は?」「し:調べて、比べて、他のニュースと」「か:感情的な言葉をみたら深呼吸」。
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- NHKプラス
会社員のゆいさんは選挙中に目にした真偽不明の情報を信じてしまい後悔しているという。片方の候補は政策の文字数が少ないという批判的な投稿を見たゆいさんはすぐに友人たちに伝えた。しかし投票直前、ゆいさんが信じた情報は誤りだと指摘した新聞の記事を見て後悔したと話した。自分の好みやほしい情報に近いものばかりに目がいきそれ以外の情報は無視してしまうことを「確証バイアス」という。
SNSで選挙情報と付き合っていく上で気をつけるポイント「た・し・か・め・て」を紹介。「た:たどってみよう、発信元は?」「し:調べて、比べて、他のニュースと」「か:感情的な言葉をみたら深呼吸」「め:目を引く動画での即決に注意」「て:手がかりになる根拠や出典は?」。