- 出演者
- 首藤奈知子 伊集院光
オープニング。本日は近年復権している「音声メディア」の秘密に迫る。
ラジオの広告費の推移を見ると、90年代前半をピークに徐々に縮小が続いていたが、4年前に上昇に転じ、その後増加傾向にある。都内の大学に通う五十嵐さんは毎日の通学時間にワイヤレスイヤホンを付け、ラジオ番組配信アプリ「radiko」でラジオを聴いているという。日頃SNSの短い動画に疲れを感じることが多いという五十嵐さんはリラックスして聴けることもラジオの魅力だと語った。五十嵐さんがよく聴く番組は、放送開始から58年目の「オールナイトニッポン」。スポンサーの数は一時減少したが、今では約100社が付いており過去最多を更新している。水曜パーソナリティーの佐久間宣行さんはリスナーからの企画案をもとに展開されるトークが人気を集めている。放送時間は約90分。短い時間で情報が更新されていく時代の中で、その反動から価値が見出されているという。さらにリスナーがSNS発信することで新たなリスナーが増加している。毎日オールナイトニッポンを聴いている大学生の高木さんは、パーソナリティーに会える番組主催のイベントも魅力だと語った。去年10月に開催された佐久間さんのイベントには横浜アリーナに1万2000人もの人々が来場した。番組イベントは3年で17回開催されており、ラジオの枠を超えた新しい体験を作り出そうとしている。
音声メディアの人気は中高年女性にも広がっていて、ポッドキャスト番組の「OVER THE SUN」は毎月140万回再生されるほど熱い支持を得ている。パーソナリティーはコラムニストのジェーン・スーさんとフリーアナウンサーの堀井美香さん。話題は子育て・仕事・介護などで、リスナーに寄り添う2人の言葉が人気の理由となっている。中には番組の音声を聴きながらランニングするグループができるなど、新たなコミュニティ構築にもつながっている。
毎週日曜日に3時間生放送しているらじらー!サンデーはメインMCを藤森慎吾さんと乃木坂46のメンバーが務めている。主なリスナーは10~30代で、企画内容はリスナーからの投稿で決まる。番組SNSのフォロワーは38万人で、生放送の様子をSNSで発信している。
伊集院さんは「SNSを活用した番組では色々な情報を発信することで、ある意味気軽にリスナーからの意見を募れることが良いと思う」など話した。音声メディアに詳しい塚越健司さんによると音は人間性に触れやすく、コロナ禍の1人時間で声の安心感に気がついた人から強い支持を得ているという。
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都内の小学校教諭・二川佳祐さんは「Voicy」の人気パーソナリティー。リスナーは2000人で、子どもたちとの接し方に悩む先生などに向けて自らが得た気付きなどを伝えているという。二川さんたちパーソナリティーとリスナーの交流イベントには300人が参加した。Voicyの運営会社はこのアプリを幅広い学びの場にしたいと考えている。
会社員の冨山涼太さんは多忙で読書の時間が取れないことが悩みだったというが、本の朗読が聴ける「オーディオブック」を利用。このアプリは近年人気が広がり、利用者は300万人まで増えている。冨山さんはこのアプリを使い年間200冊以上聴くことができているとのこと。アプリの運営会社は朗読に人気声優や俳優を起用し、一冊に半年ほどかけて制作することもあるという。
本の朗読アプリの広がりについて専門家は「今の若者は効率的に時間を使いたい。耳で聞くことを時間の有効活用と捉えている人が多いのではないか」などと話している。伊集院さんは「音声を聴いて理解する習慣が無くなったらラジオは終わる」などと話した。また「オールドメディア中のオールドメディアのラジオが生き残っているのは何か理由があると思う」などとも話した。
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