- 出演者
- 首藤奈知子 秋山智弥
いま医療現場で深刻化しているのが看護師の不足。これ以上患者を受け入れられないと病床を閉じる病院もあり、看護専門学校などは定員割れが続き学生の募集を停止。関東甲信越で21校22課程にのぼっていることが明らかになった。
オープニング映像。
今月厚生労働省が公表した看護職員の就業者数、看護師養成所(3年課程)の定員充足率を紹介。看護師の不足が医療の現場では大きな影響が出ている。
千葉県銚子市にある総合病院では看護師が不足し、病床を閉じざるを得ない事態が起きている。現在64人の看護師が勤務している、看護師の仕事は患者のケア、医師のサポート、カルテの作成、家族への連絡など多岐に渡る。この病院では去年までの5年間で24人が退職。一方新規の採用は13人に留まり負担が大きくなっていた。対応を迫られた病院は去年4月、120ある病床のうち24床を休止。長期入院や透析治療も制限している。千葉県が行った調査では看護師不足を理由に県内の少なくとも7病院で424床が稼働できなくなっていることが明らかになっている。
看護師を養成する学校も次々に閉校している。埼玉県秩父市の秩父看護専門学校。ことしの入学者は9人。学校は3年後に閉校することが決まっていて9人が最後の卒業生になる。およそ30年前、地域で唯一の看護専門学校として開校。地元に200人以上の人材を送ってきた。しかし年々志願者が減り11年前からは定員割れが続いていた。少子化に加えコロナ禍で看護のイメージが悪化し若者から敬遠されるようになったことが原因と考えている。奨学金や家賃の補助を打ち出したが歯止めはかからなかった。学校の閉校は地域の医療体制にも影を落としており、秩父市立病院では慢性的な看護師不足に悩まされている。また関東甲信越では専門学校など21校22課程が2年以内に学生の募集を停止することがわかった。
ゲストの日本看護協会・秋山智弥会長を紹介。秋山会長は看護師の賃金不足などを指摘。VTRで紹介した島田総合病院では賃上げなどの待遇改善をアピールして採用活動に力を入れ来年休止病床の再開を目指している。秋山会長は看護師は大変な仕事であることは間違いないなどと話し、増え続ける医療の需要に対して看護師の供給が追いついていないことが根本にあげられるなどと話した。また首藤奈知子がドラマ「風、薫る」のモチーフは近代看護を切り開いた大関和であり、大関の心得を紹介した。
千葉県船橋市の船橋二和病院の看護師・正木さんは最近患者と十分に向き合えていないと感じている。この病院では以前は1人の看護師が平均7人の患者をみていたが今では平均10人となっている。入院患者の体を拭くケアも週に3回から1回に減り、一方で事務作業や病院食の配膳などにより多くの時間がかかるようになっている。患者に接する時間を少しでも増やすため病院では半年前からスマートフォンを使った電子カルテを導入。入力作業などの時間を減らしその分を患者とのコミュニケーションにあてようとしている。
ナースコールが押されてもすぐに駆けつけられない、患者の転倒に気づけないという看護師の声を紹介。日本看護協会の秋山会長がアメリカで行われた看護師1人あたりの患者が1人増えると患者の死亡率が7%増加するという調査結果を紹介。
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都立広尾看護専門学校が力を入れているのが社会人経験者の育成。毎年30人以上の社会人経験者が入学し学生全体の4割を超えるまでになっている。学校を運営する東京都は奨学金制度を整備しなり手を増やすことを狙っている。また川崎幸病院ではストレスを軽減し長く看護師を続けてもらおうと、看護師たちの声を受けペットと暮らせる寮を去年からスタートした。またペットが病気になった時などに休暇がとれる仕組みを整え96人が登録している。この取り組みに引かれ新たに2人の看護師が就職した。他にも病院ではストレスチェック面談などを行っている。
「おたすけ部隊」やAIの活用など看護師不足への対応を紹介。日本看護協会の秋山会長は看護学校の募集が相次いで停止していることについて、深刻な問題。受験者数そのものが減ってきているのが重要。大学の方は辛うじて定員が充足しているので看護学校から大学への転換を図るのも一つの案だとは思うなどと話した。閉校が決まっている秩父看護専門学校は地元の看護師会が自治体に対して看護師を呼ぶこむための移住支援金などを求めていることなどが紹介された。また秋山会長は病院・診療所と訪問看護ステーションなど看護師のこれからの働き方を提案した。
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