2024年2月10日放送 5:15 - 5:40 NHK総合

Dearにっぽん
「父が隠した“家族”〜愛媛・鬼北町〜」

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。今回は亡き父のことを知りたいと考え、足跡を辿った男性を紹介する。

キーワード
ハンセン病鬼北町(愛媛)
(Dearにっぽん)
父が隠した“家族”〜愛媛・鬼北町〜

木村真三さんは愛媛県鬼北町出身。ただ18歳でこの町を出て、現在は関東地方で生活している。17年前に亡くなったという木村さんのお父さん、役所勤めだったという。そんなお父さんのことを木村さんは「あまり好きじゃなかった」と語る。そんなお父さんに秘密があると知ったのは木村さんが30歳の頃だったという。木村さんの大伯父にあたる仙太郎さんはハンセン病を患っていた。ハンセン病患者はかつて隔離する政策により差別や偏見にさらされた。その事をお父さんに問いただすと「言えなかったんだ」と返ってきたという。身内にハンセン病患者がいることで、結婚もままならなくなるのだという。それを聞いた木村さんはそのことを口にしなくなった。しかし木村さんは13年前の福島第一原子力発電所事故がきっかけに、一度は封印した家族の存在と向き合う。放射線関係の研究者だった木村さんは事故直後から放射線の調査を福島県内で行っている。そこで知り合った避難せざるをえなかった住民だった。「戻りたくても戻れない」そんな人たちと自身の境遇が重なって見えたのだという。木村さんはハンセン病の療養所を訪ね、大伯父の情報を開示してもらった。大伯父である仙太郎さんはハンセン病を23歳で発症、54歳で療養所に入った。しかしその2年後には亡くなっている。さらに彼には離婚歴があったという。ハンセン病患者の話を聞くと、家族との関係が途絶えてしまったことや「患者が出ると、その家は潰れてしまう」という世相だったのだという。幼少期、10年ほど大伯父と暮らしたと考えられる木村さんのお父さん。家族にハンセン病患者がいたことで婚約破棄に至ったこともあったのだという。

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昨年10月、木村さんはお母さんとお兄さんと話すことになった。お母さんは結婚する前にハンセン病患者がお父さんの身内にいたことを知っていたという。そんなお母さんだが、近所の人にそれを指摘されたこともあったという。兄の洋介さんは差別を受けるような経験があったのではないかと口にした。木村さんは飲んで帰ってきたお父さんが家の手前でタクシーを降りて帰ってきたのはそういった部分の配慮だったのではと考えているという。沈黙を貫いた木村さんのお父さんだが周囲の人から「オシャレでいい人だった」と言われ、葬儀の際にも多くの人が訪れた。地域の人たちとの関係は良好で、それは家族を守るために傘のような存在になってくれたのではないかと、木村さんは振り返った。現在木村さんは原発事故のために福島に住んでおり、その間に離婚しお子さんとも会えていない。そんな状況で木村さんはお子さんに「不幸を背負わせた」と語る。

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ハンセン病福島県

ある日、徳島県で人権を学ぶイベントに参加。イベントでは中学生が自分の立場について語った。そして木村さんもハンセン病の家族がいること、それと向き合ったことを語った。差別などに関して自分のことと捉えてほしい、また悩んでいるお子さんを持つお父さんに対して背中を見せてほしいと木村さんは自分の考えを伝えた。木村さんは自分のお父さんが様々なものを墓場まで持っていき、背中を見せて守ってくれたのではと語った。現在木村さんは大伯父である仙太郎さんのことを伝える活動を行っている。そしてお父さんの生き方について「下手な生き方だけど、人間らしいんじゃないか」と語ってくれた。

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(エンディング)
次回予告

「Dearにっぽん」の次回予告。

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