2023年11月3日放送 13:05 - 13:55 NHK総合

NHKスペシャル
シリーズ“宗教2世” ドキュメント“宗教2世”を生きる

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

シリーズ“宗教2世” ドキュメント“宗教2世”を生きる
旧統一教会2世 まなみさん

旧統一教会2世のまなみさんは誰にも言えずに抱えてきた苦悩を打ち明けた。まなみさんは病気で子どもができない養母のもとに養子に出された。実父母との間で「次もし妊娠する子どもが女の子だったら養子に出してもいい」というやり取りがあったと聞いていると話した。旧統一教会では養子の約束を交わすのは捧げる側の妊娠前が最も望ましいと、養子に出すことを前提とした妊娠が勧められていた。物心がついたころから自分が養子とわかっていたまなみさんは2世としての責任を果たしたいと考えていたが、小学生になると両親は教団の活動で家を空けるようになりまなみさんは孤独感に襲われた。親は少しでも収入があれば献金し、家にはお金がなくギスギスした空気が流れていた。信仰から離れたまなみさんは罪悪感に苛まれた。病気で父親を亡くし現在は無年金で収入がほとんどない母親を支えているが、お金を渡しても母はすべて献金してしまうという。まなみさんは自分の人生を生きることを諦め1人で抱え込んできた。

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エホバの証人2世 ゴンさん

SNS上では宗教宗派を問わず様々な当事者たちが自らを“宗教2世と名乗るようになり、支援団体が相次いで発足した。当事者からの訴えが特に多いのがエホバの証人。体罰や子どもへの輸血拒否などをめぐって児童虐待にあたる可能性が指摘され、国は教団に事実確認を行った。エホバの証人2世のゴンさんは10歳のときに母親の信仰の強さを目の当たりにした。母は教えに反して煙草を吸って排斥扱いになったことを理由に当時17歳だった兄を家から追い出した。教えでは排斥された人とは交流を避けるべきとされていた。1度だけ兄が家を訪ねてきたことがあるが、母が受け入れることはなかった。後に兄は自ら命を絶った。ゴンさんは20歳のときに宗教を離れることを決意したが、親子の縁までは断ち切れなかった。ゴンさんが35歳のときに母が病に倒れた。命を救うには輸血が必要だったが、母は教えに従って輸血を拒否していた。ゴンさんは輸血をしてほしいと言いたかったが、母の40年間がなくなってしまうと悩み母の意思を尊重することにした。ゴンさんは亡くなるまで「宗教に戻ってほしい」と母から送られ続けていた手紙をしまっているが、一生開けられないかもしれないと話した。宗教2世について、同志社大学神学部の小原教授は「孤立していた1人2人3人4人が共通のプラットホームを得た、そういう語りの場を与えたのが宗教2世という言葉だと考えるならば宗教2世といってもいろいろな背景や悩みの深さも違うことに光を当てていく必要がある」などと指摘した。

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旧統一教会の現役2世信者

自らの意志で信仰を継承している旧統一教会の現役2世信者たちからも声があがっている。ことしの合同結婚式に参加しただいすけさんは、高校生の頃に恋愛を禁じる教えなどに反発し教団の活動から離れた時期があるが心が満たされず再び信仰の道に戻った。だいすけさんは団体に関してすべていいとは思っていないが、統一教会ありきで生まれているのでそれを否定されると自分を否定されるのと同じだと話した。教団の解散命令請求をめぐる議論が続く中、「信者の人権を守る二世の会」が立ち上げられた。代表の小嶌さんは教団の職員として働きながら、信者たちの声を集め発信を続けている。小嶌さんは信仰を離れた2世とも対話を重ねており、SNSで2世の苦悩を発信してきたものさんに話を聞いた。ものさんは10年前に信仰を離れ、信者ではない男性と結婚した。両親からの猛反対にあい関係が悪化した。小嶌さんに教会に求めることを聞かれたものさんは、教会を離れる道を認めてほしかった、教会が必要ない2世もいると話した。その後も小嶌さんは教団の課題と向き合い、社会との折り合いをつけたいと活動していた。2023年10月13日、国は旧統一教会の解散命令を請求した。

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旧統一教会2世 まなみさん

旧統一教会2世のまなみさんは、自分と同じ境遇の旧統一教会2世、ようじよさんと話をする機会ができ、まなみさんはこれまで誰にも言えなかった悩みを打ち明けた。ようじよさんは自らの存在に苦しみ命を絶とした4年前にカウンセリングでかけられた「私自身の人生を生きる権利がある」という言葉が自分を変えてくれたと伝えた。初めて自分の背中を押してくれる言葉と出会ったまなみさんは、母を連れて外に出ようと20年以上住んでいた家から引っ越しをした。引っ越し先でも「〇〇家家庭教会」というプレートを掲げようとしていた母親に「嫌だからそこは線引してほしい」と伝えたところ、そっと外してくれたと話した。「ふだんから冷静に言葉にしていいんだ」と感じたという。

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エホバの証人2世 ケンタさん

エホバの証人2世のケンタさんは、高校の同級生が支えになっている。去年宗教2世だと明かしたあとも変わらぬ友人関係が続いている。ケンタさんは2歳の頃から親に連れられ布教活動に参加してきた。教団の教えでは高等教育を受けるより布教活動に専念することが求められていた。高校卒業後は年間840時間の布教のノルマを達成するためフルタイムの仕事に就けず、アルバイトを転々とした。信仰を離れたあとも家族が信者ということを理由に恋人から別れを告げられたこともあった。そんなケンタさんの心の支えになってきたのが高校の同級生だった。

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エホバの証人2世 ゴンさん

亡き母の気持ちに近づきたいと考えたゴンさんは、知り合いを通じてつながった母親と同世代の元信者の尾崎さんを訪ねた。尾崎さんは息子から「なんのために宗教をやってるの」「家庭が幸せになるためにやってるんじゃないの」「ちっちゃい時から自分がなにかしようとしてもみんなもぎ取られてしまっているのにどうやって飛び立てると思うの」と言われたことが信仰を離れるきっかけになったと話した。ゴンさんは、現役信者の雅子さんも訪ねた。ゴンさんは「信じるものが違っても親子のままでいることってできますよね」「もし私が排斥されていたら会ってくださいました?」と質問した。雅子さんは「排斥とはっきりわかっていればちゅうちょしたかもしれない」「排斥されたら避けるようにと書かれているのは事実ですからね」と答えた。ゴンさんは、母が亡くなってから呪縛から解放された気がした自分を冷たい人間なんじゃないかと思ったと、これまで蓋をしてきた胸の内を語った。雅子さんは「もういいよって言ってあげたい」「もう十分してあげた、責めなくていい」と言葉をかけた。

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(エンディング)
エンディング

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