- 出演者
- -
中国出身で日本国籍を取得した藍沢氏は、移住した富裕層の生活を支援する手掛けている。藍沢氏はコンサルティング会社を経営する顧客の男性から、今後について相談を受けた。男性は永住許可の申請が認められなかったという。家族とは家賃300万円の都内の部屋で暮らしており、15歳になる長男は将来日本で働きたいと考えていた。藍沢氏は顧客の子どもの入学相談も行っていた。港区のインターナショナルスクールでは、中国籍の問い合わせが増えていた。
在留資格の高度専門職は、高学歴高収入の場合短期で永住許可を取られる可能性があり、ここ数年急増している。この制度を使って1年半で永住許可を得た郭氏は、冬は安曇野、夏は宮古島に滞在している。北京で起業した会社を現在のバイトダンスに15~16億円相当で買収され、生涯働くても暮らせる資産を得た。郭氏は、初期メンバーとしてTikTokの開発に携わった。郭氏は、バイトダンスで働いていた頃は精神的なプレッシャーも大きかったが温泉に入ると北京の慌ただしいリズムから切り離された感覚になった、温泉があるから日本で暮らすことに決めたと話した。
コロナ禍以降、中国のSNS上で日本移住を意味する 「潤日」という言葉が頻繁に見られるようになった。藍沢氏は、ロックダウンのつらい思いをもう一度体験したくない、中国の経済が減速し稼いだ資産がなくなるんじゃないかといったことが根本的な原因になっていると話した。日本で目立ってきたのは中国都市部で一定の資産を持つ中所得者で、多くが在留資格「経営・管理」を取得していた。当時500万円以上の資本で事業経営を行えば申請でき、コロナ禍以降に移住の動きが加速した。中所得者の一部は、移住の際に非正規の国際送金を行う地下銀行を利用している。中国では個人が年間5万ドルを超える海外送金をする場合政府や銀行の審査が必要だが、地下銀行を通せば可能になる。
政府は去年10月に在留資格「経営・管理」の要件を厳格化し、必要な資本金の引き上げや日本人の雇用義務化など新たな基準のもとで制度の運用を進めている。各地の中国料理店の中には、閉店する事例が現れ始めている。店の経営者が在留資格を更新できなかったり、別の職種に切り替えざるを得なかったことなどが理由とみられている。2月に大阪の入管に出頭を求められた民泊業を営む男性は、「経営・管理」の在留資格を更新し続けてきたが今回不許可となり30日以内の出国が義務付けられた。経営する民泊8部屋では事業規模が足りないと指摘されたが、30日間では再申請の準備が整わなかった。在留資格を更新できず家族で帰国した人もいる。国は在留資格の更新について3年の猶予期間を設けており、実態調査や将来的な見込みを踏まえ判断するとしている。
大阪や京都で民泊用の施設を建設・管理してきた谷町氏は、民泊などの経営を希望する100人にビルや京町家の部屋を販売し在留資格「経営・管理」の申請をサポートしてきた。谷町氏は地方のリゾート開発にも乗り出している。長野・白馬村に建設した高級宿泊施設を中国人富裕層などに販売し、投資の新たな受け皿となっていた。インバウンド事業を追い風にした新規事業だったが、土地の価格が急激に上がるといった問題が起きていた。それでも事業拡大を進める谷町氏は、地元の建設会社を参加に入れて給与の引き上げを提案し、高級レストランの誘致にも乗り出した。
潤日の投資と日本企業を結びつけることで在留資格の新たな要件を満たそうとする人もいた。中国出身で2019年に日本国籍を取得した経営コンサルタントの澤嘉氏は、日本企業のM&Aに着手した。企業買収を通じて日本人の雇用という新たな要件をクリアするのが狙い。後継者不足に直面する会社が120万社以上あることに着目し、ニーズが高まった。海外への販路拡大が課題とみた澤嘉氏は、生配信で商品販売を行うライブコマースの手法で日本企業との関係を強めM&Aにつなげようと考えた。和歌山のみかん農園とライブコマースの運営会社をつなげてTikTokで販売することになり、地方の現場にも潤日の資金が流れ込もうとしていた。澤嘉氏は、M&Aは地方経済、経営・管理ビザを持っている人にとってお互いウィンウィンな関係だと話した。
