2025年5月24日放送 6:30 - 7:00 NHK総合

NHKニュース おはよう日本

出演者
南利幸 井上二郎 赤木野々花 
(ニュース)
速報 日本製鉄”パートナーシップ承認に敬意”

USスチールの買収計画に関するトランプ大統領のSNSについて、日本製鉄はコメントを発表した。この中では「日本製鉄とUSスチールのパートナーシップを承認されたトランプ大統領のご英断に、心より敬意を表する。私たちの提案はアメリカの労働者、鉄鋼業、そして国家安全保障を守るというトランプ政権のコミットメントと合致している。USスチールと日本製鉄のパートナーシップは、USスチールとすべてのステークホルダー、アメリカ鉄鋼業、ひいては製造業全体にとって画期的な転機となるものだ」としている。

留学生受け入れ取り消し 裁判所が一時差し止め

アメリカのトランプ政権がハーバード大学に対して留学生を受け入れるための認定を取り消すと発表したことについて、裁判所は大学側の申し立てを受けて、この措置を一時差し止める決定を下した。在学中の留学生などにすぐに影響が及ぶ事態はいったん回避された形だ。国土安全保障省が22日、ハーバード大学がキャンパス内で暴力や反ユダヤ主義を助長したなどの理由で、留学生を受け入れるための認定を取り消すと発表した。在学中の留学生についても他の大学に転出しなければ、アメリカでの滞在資格を失うとしている。これに対し、ハーバード大学のガーバー学長は23日、声明を出し、「学問の独立性を放棄したり、政権に服従したりすることを拒否したことへの報復措置だ」と訴えた。大学側は認定の取り消しは明らかに憲法に違反している」などとして、措置の無効を求め、連邦地方裁判所に提訴するとともに、この措置の1次差し止めを命じるよう申し立てた。これを受けて裁判所は「当事者の意見を聞く前に大学が即座に取り返しのつかない損害を被ることになる」として、認定の取り消しを一時差し止める決定を下した。ハーバード大学は先月にも、トランプ政権による助成金の一部凍結の取り消しを求める裁判を起こしていて、政権と大学の対立は一層激しさを増している。

来月末にパンダ返還 多くのファン 詰めかける

和歌山県白浜町のテーマパークで飼育されているジャイアントパンダ、4頭すべての中国への返還が発表されてから、きょうで1か月。来月末の返還を前にパンダをひと目見ようと、多くの人たちが詰めかけている。日中のパンダ保護共同プロジェクトの契約期間がことし8月で満了する。パンダは来月28日に出発することが決まった。JR白浜駅では平日でも多くの利用客で混雑していた。地元の南紀白浜空港でも、パンダの返還が発表された先月下旬から乗客が急増している。和歌山県によると4月の乗客数は過去最多で、今月も過去最多のペースだという。老舗ホテルではパンダづくしでおもてなし。返還の発表から予約の問い合わせが相次いでいて、来月末までほぼ満室だという。今月26日からは検疫のため、ガラスで囲まれた展示施設内のみでの公開になる。テーマパークでは健康状態をチェックするなど返還への準備を進めていて、出発前日には4頭を送り出すセレモニーを行うことにしている。

”ガラスは自由”芸術家の思い

大阪・関西万博でチェコのパビリオンに展示されているガラス作品をデザインしたのは、1950年代から活躍したガラス芸術家・レネー・ロウビチェクだ。当時の社会主義体制で芸術家の創作活動に厳しい監視の目が向けられる中、自由な表現を求め続けた芸術家の足跡を辿った。プラハの国立美術館にあるシャンデリアを製作した当時、95歳だった。チェコ伝統のガラス工芸を芸術の域にまで高めたとして国際的にも評価されている。国立プラハ装飾芸術美術館名誉館長のヘレナ・コエニックスマルコバーさんは「常に変化し続けるということが、彼が作品に込めた意味だと思う」などとコメントした。

ロウビチェクが頭角を現したのは30代後半、ガラスと金属 を組み合わせた斬新なデザインが世界的にも認められた。代表作は1970年の大阪万博に出展した、高さおよそ5.5mの大作「ガラスの雲」だ。当時のチェコスロバキアは社会主義体制だったが、作品が制作された時期はプラハの春と呼ばれる民主化運動が盛り上がり、自由な表現を追い求める動きも広がっていた。ところがプラハの春はソビエト軍などの侵攻で鎮圧され、その後、芸術家たちへの締めつけは、より厳しいものになった。「ガラスの雲」は国家体制を上から覆う雲と捉えることもでき、政府からタイトルの変更を求められた。ロウビチェクはこれを拒否、その結果、国内での作品発表は禁止、国からの支援も打ち切られた。国からの制裁は10年以上に及んだが、針金を使って新たなデザインを次々と作り出すなど、創作の手を止めなかった。ロウビチェクの娘・ミハエラさんは「父にとってガラス、仕事、人生へのアプローチ、これらは同じようなものだった」などと語った。

ロウビチェクの思いは次の世代へ受け継がれている。ガラス職人のイジー・パチネックさんは、ロウビチェクから学び、20年以上にわたり、共に創作活動も行った。大阪・関西万博に展示するため、ロウビチェクがかつてデザインした作品を制作した。ロウビチェクから学んだことのひとつが、ガラスは自由であるということ。パチネックさんは「ロウビチェクさんはいないけど、この作品を作ることができて幸せだ」などと話した。

おはWORLD
18日 フィリピン残留日本人国籍取得を訴え

太平洋戦争の混乱などでフィリピンに取り残された、いわゆる残留日本人の人たちが、日本政府に対して早期の国籍取得に取り組むようあらためて訴えた。今も49人が日本国籍を求めている。フィリピン残留日本人は、戦前に移住した日本人の父親とフィリピン人の間に生まれ、父親が戦争中に死亡するなどして取り残された。戦後のフィリピンでは反日感情が根強く、迫害を恐れて、日本人の子どもであることを裏付ける証明などを処分した人も多く、無国籍のまま過酷な人生を送ってきた。戦後80年の今年、日本政府の対応が注目される。

20日 台湾 頼清徳総統 就任1年

20日、台湾の頼清徳総統が就任して1年となった。中国の軍事的圧力が強まる中、台湾海峡の平和と安定をどう守るのか、難しい舵取りを迫られている。頼氏は中国と距離を置く蔡英文前総統の路線継承を強調する一方で、前総統よりも中国に対して強い姿勢で臨んでいる。これに対し中国は台湾周辺で大規模な軍事演習を繰り返すなど、圧力を強めている。一方、立法院では頼氏が所属する民進党は少数与党となっていて、主導権を握る最大野党の国民党との対立が激化している。頼総統は中国との関係を安定させるとともに、与野党の対立を解消させられるか問われている。

22日 ドイツ軍 リトアニアに駐留開始

22日、ドイツは、ロシアと国境を接するバルト三国のリトアニアに軍の部隊の駐留を始めた。ドイツ軍が単独で外国に軍の部隊を常駐させるのは、第2次世界大戦後初めて。背景には、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの警戒感の高まりがある。リトアニアはロシアの飛び地であるカリーニングラードや、同盟国であるベラルーシと国境を接していて、NATOが防衛強化を進めている。リトアニアはナチス・ドイツの侵攻を受けた経験があるが、現地では歓迎する市民の声も聞かれた。今月発足したドイツのメルツ政権は国防費を大幅に増やす方針を示していて、ドイツの存在感が高まりそうだ。

ブータン 胃がんと向き合う日本人医師

幸せの国として知られるブータン。GNH(=国民総幸福)の司法に基づいた国づくりが進められている。現地で最も多い死亡原因である胃がんは世界的に見ても死亡率が高い。ブータンの首都から200km以上離れたゲレフにある唯一の総合病院ではJICA(国際協力機構)と大分大学などが取り組む胃がん対策プロジェクトの一貫で先月、胃がん治療ができる最新の内視鏡が導入された。プロジェクトを率いるのは大分大学医学部の山岡吉生医師。胃がんの主な原因となるピロリ菌研究の世界的権威。山岡医師は「機械の導入でゲレフでも早期がんが見つかればオペで治るかもしれないし内視鏡でも切除することができる」と話した。山岡医師がブータンの胃がん対策に取り組むきっかけとなったのは、15年前に出会ったブータン前首相で医師のロテツェリン氏。ブータンの現状を知った山岡医師がツェリン氏の要請もあり協力することになった。ツェリン氏は「これからも日本と連携し学ぶことで明るい未来があると確信している」と語った。

医療の整備が立ち遅れているブータンでは医療機関の数も不十分で治療が手遅れになるケースが多くあった。山岡医師は胃がんの主な原因であるピロリ菌の検査を2010年から首都ティンプーや農村部で実施。その結果、約7割がピロリ菌に感染していることがわかった。さらにブータンで採取した検体を調べると、ほかの国よりも毒性が強い遺伝子を持つとみられることがわかった。山岡医師は「2010年の初調査で思っている以上に強い毒性のピロリ菌に感染していた。(住民の間では)胃がんがあまり知られていないし興味もない、内視鏡もないというのが最初に来たときの状況」と話した。全国民の検査体制の確立が不可欠と考えた山岡医師は日本政府の助成金も活用して、日本企業と共同で開発した独自の検査キットの現地生産を行う予定。検査キットは検体を含んだ液体1滴で約15分でピロリ菌の有無がわかる仕組み。国内での生産が可能になれば低コストで検査が可能になり、国の医療費の負担軽減も期待できる。山岡医師は「10分の1行かの値段でキットができると経済的に貧しい国でも(ピロリ菌の早期発見、治療が)できるのでは」と語った。

胃がんを早期発見し治療できる医師の育成も進めている。約2カ月置きに内視鏡医を派遣し、現地の医師に技術指導を行う。山岡医師も自ら指導に加わった。ブータンの内視鏡医は20人余りに増加。早期発見で胃がんが完治した女性は「治療を受けていなければ命がなかったかもしれない。とても感謝している」と語った。山岡医師は「がんと言われたら終わりという時代から『早期がんだから治る」 と、それを信じてくれるような国になるかな」と述べた。ブータン政府は山岡医師をはじめ日本からの支援に感謝を示している。政府としても国民に胃がんに関する正しい知識をみにつけてもらい健康を守ってもらおうと独自のキャンペーンを立ち上げるとしていて、山岡医師の取り組みとの相乗効果を図りたいとしている。山岡医師は同じように胃がんによる死亡率が高いモンゴルやインドネシアなど他の国でも同じような取り組みを広げていきたいと話していた。

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