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オープニング映像。
佐賀県唐津市七山地区の現在の人口は約1600人、半数ほどは高齢者。そんな山間の街で広く知られているジャージ姿の先生は阿部智介医師。医師がいなかった七山地区に診療所を開いた父の背中を追うとずっと心に決めていた。
七山診療所には1日40人ほどの患者が訪れる。年間60人ほどのペースで人口が減り、過疎化と高齢化が進む七山。路線バスの運行は平日の朝と夕方、1日2本だけ。診療所の隣には歯科医院があったが経営難から去年に閉院した。阿部先生は診療所に通うことが難しいお年寄りたちのため2週間に一度、巡回診療を行っている。
阿部先生が生まれた翌年、父孝昭さんは診療所のなかった七山で開業した。そんな背中を追って阿部先生は医師となった。しかし、孝昭さんは急死し阿部先生は一人で故郷を背負うことになった。阿部先生は入院先から戻ってきた92歳の鬼木龍代さんの自宅を訪れた。龍代さんは足の傷から細菌が入ったことをきっかけに体が弱り入院していた。最後を迎えるまで自宅で過ごしたいという龍代さんと家族の願いをサポートした。
住み慣れた地域で最後を迎えてもらうには医師一人の力だけでは難しい、そんな思いで阿部先生は医療や介護に携わる仲間を集め連携を深めている。阿部先生たちが監修し唐津市などが発行している「いきかたノート」。どこで誰とどのように過ごしたいか記入して家族や友人など大切な人と共有する。
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去年のクリスマス、唐津市肥前町へ。大腸がんを患う川添和子さんは抗がん剤治療をやめ緩和ケアに移行した。主治医の阿部先生は必要な薬を調整するなどしてサポートしている。
阿部先生の献身的な医療活動は各方面から高く評価されている。妻のさゆりさんは「患者さんの健康も大切だが自分の健康も、自分の体が資本」などと話した。
92歳の龍代さんの家族から呼吸をしていないようだと連絡が入った。家族皆に温かい声をかけられながら過ごした1か月間だった。
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末期の大腸がんを患う和子さんのもとを訪れた。2月下旬、激しい腹痛と吐き気に襲われた和子さん。進行したがんが腸を塞ぐ腸閉塞だったことから阿部先生の手配で数日間総合病院に入院していた。1か月も生きられないと阿部先生は感じていたが、それから半年が経った。
和子さんの自宅を訪ねると以前は家の中でも被っていた帽子を脱いでいた。抗がん剤治療をやめて8か月、元のように髪が生えてきたことを喜んでいた。生き方を応援することが故郷への恩返し。
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