2023年7月31日放送 0:55 - 1:25 日本テレビ

NNNドキュメント
’23「四万十川と生きる〜最後の専業川漁師〜」

出演者
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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

今回は…

「四万十川」は高知県西部を流れる大河。手つかずの自然が残る四万十川は日本最後の清流と呼ばれている。多くの川漁師がいたが、異変が起きている。川に住む生き物が激減している。

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四万十川
(NNNドキュメント)
四万十川と生きる〜最後の専業川漁師〜

中村地区は海と川の水が交わる豊かな汽水域が広がる。専業川漁師の黒澤雄一郎さん。2022年9月、川の漁だけで生計をたてる専業川漁師が黒澤さんだけになった。埼玉県出身で東日本大震災の原発事故をきっかけに自然豊かな場所で暮らそうと2011年に家族で四万十市に移住した。移住し7年目、四万十川の河口は冬になるとのスジアオノリ漁で賑わう。長年、全国1の水揚げを誇り1980年代には約50トンほど捕れた年もあった。だが近年、水揚げ量が激減し2018年には2.6トンにまで減少。それでも黒澤さんが漁をする分には十分な量が捕れていた。黒澤さんにとってスジアオノリは川漁師としての生命線で収入の半分を占めていた。しかし2020年2月、ノリが全く生えない。ノリの胞子が川底の石に付き繁殖するスジアオノリ。しかし石の間に土砂が溜まるようになりノリの姿が消えるようになった。スジアオノリの減少には温暖化も影響しているといわれているが黒澤さんは流れ込む土砂も問題だと考えていた。2020年3月、ノリが捕れるも例年より遅く水揚げ量も全盛期の1%以下。減っているのはスジアオノリだけでなく四万十川の夏の味覚テナガエビもだった。乱獲で減ったとされるテナガエビ。これも川底の石が土砂で埋まりエビが隠れる隙間が無くなったことが影響していると考えている。川の異変を感じていたのは黒澤さんだけでなく、一藤貞男さんもその1人。四万十川でおよそ半世紀に渡り専業の川漁師をしてきた。黒澤さんは移住直後、弟子入りし川漁師に必要な技術を教わってきた。スジアオノリが大幅に減った2020年春、一藤さんは川漁師を辞めた。2020年9月、黒澤さんにとって収入が見込めるのはウナギ漁だけになっていた。2021年1月、スジアオノリの水揚げ量はゼロになった。秋~冬にかけて四万十川下流には産卵に向かうため鮎が群れをなしてやってくる。2021年12月1日、鮎漁が解禁され黒澤さんは落ち鮎の漁に一藤さんと向かった。

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スジアオノリテナガエビ四万十川四万十市(高知)

四万十川の清らかな流れを取り戻そうと動き始めた人がいる。漁業組合長で建設業を営む金谷光人さん。2022年2月、川の状態を知るため河原を試験的に掘り起こした。川の底も掘り起こし土砂を取り除けば石の間に隙間ができて生き物が戻ってくるのではと考えた。川が再生することを黒澤さんも期待している。掘削から1年が経った河原には石の間から水がしみ出していた。2023年5月、スジアオノリが取れなくなり3年が経過した。黒澤さんはある決断をした。

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2023年5月、四万十川最後の専業川漁師・黒澤さんがいたのは海。獲っていたのはクロムツ。形が良いのは高値で取り引きされている。海での漁は以前から考えていたという。貯金をはたいて中古の漁船を購入し今年初めて海に出た。最後の専業川漁師が四万十川から消えた。それでも豊かな清流が戻ってくることを諦めてはいない。黒澤さんは地元で川の大切さを子どもたちに伝えている。今できる精一杯の取り組みだ。

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(エンディング)
次回予告

「NNNドキュメント」の次回予告。

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