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オープニング映像。
福岡市早良区のりんご飴専門店「あっぷりてぃ」では難聴の人たちが働いている。代表の梶本さんは難聴の子どもたちのための放課後デイサービスも運営している。子どもたちが働く場所や経験する場所をつくりたいとの思いから「あっぷりてぃ」を立ち上げた。「あっぷりてぃ」で働く田中奏汰さんは2歳の時に難聴だとわかった。みんなと普通に話したくて地元の小学校に入学したが、補聴器をつけていても聞き取れないことが理解してもらえず、コミュニケーションに苦しんだという。難聴を体験できるアプリを使って、田中さんの聞こえ方を再現して紹介した。一般企業に入社したが、またしてもコミュニケーションの問題から退職した。以前から顔見知りだった梶本さんが声をかけ、田中さんは「あっぷりてぃ」で働くことになった。オープン前の2022年3月に接客の練習も兼ねて、実際にりんご飴を販売した。地元の酒屋さんが場所を提供してくれた。数が合わず、客に渡していないりんご飴があることが判明した。改善点を話し合い、渡し忘れた飴を届けることもできた。
小学1年生の岩尾橙さんは生まれつき重度の難聴がある。補聴器は主に前からの音を拾うので、後ろからの音は気づきにくいという。父・至和さんは2021年に福岡在住のアーティストや映像クリエイターの力を借りて難聴の理解を促す動画「なんちょうなんなん」を制作した。至和さんはこの動画を使って学校や企業で難聴への理解を深める活動や、難聴の人の就職を支援する活動に取り組んでいる。
利益を上げる企業体制にしたいと考える梶本さんは行政からの補助金を受け取るのではなく、信用金庫から800万円の借り入れを行った。これまでにいくつもの金融機関に融資を断られたという。生まれつき難聴の妻・由美子さん、長女・楓夏さんが梶本さんを突き動かす原動力となっている。2022年4月3日に「あっぷりてぃ」はオープンを迎えた。指差し注文や音声認識ソフトを使って順調に接客していった。200個用意したりんご飴は完売した。
2022年7月、「なんちょうなんなん」を制作した岩尾さんは梶本さんが運営する放課後デイサービスを訪れ、中学生や高校生たちと将来の仕事について話し合った。その場にいた高校3年生の村上さんは今年4月に「あっぷりてぃ」のスタッフに加わった。梶本さんは難聴のスタッフが独立して自分たちで発信していけるようにサポートしていきたいと語った。
「NNNドキュメント」の次週予告。
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2023年7月3日(0:55)