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オープニング映像。
78年前、広島に投下された原子爆弾。現在も当時の記憶を思い出し苦悩し、涙する被爆者たちを取材した。
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現在、香川県高松市に住む西尾頼正さん(91)は戦時中両親と兄弟の6人家族で神戸で暮らしていた。終戦の2か月前に親戚を頼り広島市へ移住。8月6日の朝、母親が作ってくれた弁当を持って登校し校庭の片隅で飼育していたブタの世話をしようとした時、原子爆弾が落ちてきたという。土塀の陰にいた西尾さんは爆風を浴びたものの奇跡的に無傷だった。しかし、爆心地から1キロの場所にあった自宅は跡形もなく消失。被爆から6日後、救護施設で家族と再会したが、母は死んでいた。瓦礫に埋もれ火の手が迫る中助け出せなかったと聞かされたという。かろうじて生き延びた父や兄弟も原爆症などで次々と他界。わずか3歳の妹や全身に火傷を負った11歳の弟、父親を自分自身の手で火葬した。生き残った西尾さんともう一人の妹は高松市に住む母方の祖母に引き取られた。その後結婚し自分の家庭を持つようになった西尾さんだったが、被爆地の広島には二度と足を踏み入れることができなくなっていた。西尾さんは「今でも心の奥では13歳のまま。忘れられない」と涙を流した。
被爆者の長尾昭雄さん(94)はひ孫とともに78年ぶりに広島を訪れた。当時焼け野原だった町並みが復興した様子を見た長尾さんは「亡くなった人のことを思ったら今94歳まで生きて来られたことをあまりこう喜んでいいのかその辺が心の整理がつかないです」と語った。
ことし8月6日、原爆の日に長尾昭雄さんはひ孫とともに平和を祈った。長尾さんは「大切な命、かけがえのない命をなくした方がたくさんおります。戦争の悲惨さ、みじめさ、怖さ、それを一人でも多くの方に語り継いでいって、それを聞いた方がまた平和の大切さを人から人へと伝えて頂きますようにお願いをしていこうと思っています」と語った。
「NNNドキュメント」の次週予告。