杉村さんは、2年前まで東京で警部補として働いていた。渋谷区で生まれ、活発な幼少期を過ごした杉村さんは、漫画『YAWARA!』に影響を受け、高校では柔道部に所属。正義感の強さから、高校卒業後は警視庁へと進んだ。警察官として順調な日々を送る中、親友ががんで亡くなったという知らせが届いた。とてもショックだったが「親友の分まで生きよう」と心に誓ったという。その後、25歳で結婚。30歳で古畑任三郎と同じ警部補に昇進した。ちょうどその頃、待望の娘が誕生するが、先天性の心臓病を患い、わずか1歳半で天国へ旅立ってしまった。「天国の娘のためにも頑張ろう」と、がむしゃらに働き続けた杉村さん。だが、心も体も限界を迎え、うつ病を発症。日常生活すらままならず、2年間の休職を余儀なくされた。やがてうつ病は回復し、警察官として現場に復帰。しかし、妻を支えることができないまま離婚。そんな矢先、杉村さん自身に小腸がんが見つかった。