JR東日本は、線路脇に敷く石を運ぶ新たな車両を半世紀ぶりに導入した。何が変わったのかを取材。JR東日本新潟支社が新潟・長岡市で開いたある撮影会。鉄道ファンのシャッター音の先にあるのは「ホキ800形」。半世紀にわたって石を運搬し敷き詰めてきたが、老朽化に伴い、その役目を終えた。ホキ800形が運んでいたのは、鉄道の安全な運行には欠かせない砕石と呼ばれる石。列車が通るときのクッションとして振動を抑え、枕木を支える。ただ、時間とともに小さくなるため、定期的な交換が必要。ホキ800形は、機関車にけん引されて石を運んでいた。国鉄時代の1958年から作られて、鉄道の安全を守ってきた陰の立て役者。惜しまれつつ姿を消すホキ800形に代わり開発されたのが「GV−E197系」。その姿はJR東日本が列車で石を運ぶ群馬県で唯一の拠点、渋川市の小野上駅にあった。高崎支社は新型車両の試験運用を経て、ことし4月から東京、神奈川などの首都圏各地で本格運用を始めた。新型車両のメリットを紹介。機関車から電気式の車両になりJR東日本が強調したメリットが、運転士の養成。JR東日本ぐんま車両センター・柳澤佑輔さんは「今までは機関車特有の教育が必要だったが、電車の免許を持っている人に関しては“ワンハンドルマスコン”という1つのハンドルでブレーキとアクセルが扱えるようになった、効率的になった形になっている」と述べた。このほかにも、前後に運転できる車両があることで可能になったスムーズな方向転換、レールの間に効率的に石を敷き詰められる機能も特徴だとしている。さらに新型車両の導入に伴って、JR東日本管内で列車で石を運ぶ拠点を3分の1の4か所に集約。効率的な運用やコスト削減も図ったとしている。
住所: 群馬県高崎市双葉町5
URL: https://www.jreast.co.jp/
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