きのうから本格移行が始まったマイナ保険証。都内のクリニックでは、87歳の女性が初めてマイナ保険証を利用し、スタッフに教えてもらいながら受付していた。午前9時から午後4時までの間に、マイナ保険証を利用した人は53人中25人だった。クリニックではこれまで、マイナ保険証の利用率は5%程度だったが、本格移行にあたり利用者が急増した。マイナ保険証で受付した人のデータが一部表示されないなどのトラブルもあるという。クリニックでは、マイナ保険証を導入後、これまで使っていた電子カルテに不具合が生じ、先月22日にネットワークシステムの全面的な見直しを行った。かかった費用は430万円だという。全額クリニックが負担し、電子カルテなどのメンテナンスに年間50万円以上かかるという。埼玉にある歯科医院では、約170人が通院しているが、来年1月に閉院するという。現在、患者情報を院内だけで管理するシステムを利用しているが、マイナ保険証に対応するには、設備を入れ替える必要があり、試算では約200万円かかるという。設備維持には年間約50万円がかかるという。おととい、全国の医師や歯科医師約50人が保険証を残すことを訴えるデモを行った。ことし5月以降、マイナ保険証によるオンライン資格確認でトラブルがあったという人は、7割に及んだ。