寺内則子さん(47)は20代の頃から長引くせきに苦しんできた。8週間以上のせきで「ぜんそく」と診断されて治療を始めると生活が一変。彼女を救ったのは吸入薬だった。2024年に改定されたガイドラインには「臨床的寛解」が記され、症状ゼロを目指せるようになったという。スタジオに主なぜんそくの吸入薬が登場。気管支拡張薬と抗炎症薬(ステロイド)の2種類があるが、ひとつのセットになり、より効果を発揮できるようになった。気管支拡張薬は狭くなった気管支を広げて、息苦しさを軽減・呼吸をしやすくする役割がある。抗炎症薬はぜんそくの根本的な原因“気道の炎症”を抑え、症状・発作の長期的な予防が役割。問題は吸入をサボりがちになってしまうこと。慢性疾患における薬の中断率の調査ではぜんそくが圧倒的に多かった。ガイドラインでは重症と診断されても50%ほどが1年以内にやめてしまうと指摘されている。勝手に薬をやめた経験がある皆さんに理由を聞くと、“治った”と勘違いしていたことがわかった。他にも面倒くさい・うっかり忘れるなどの理由があった。吸入薬を使うと、好酸球・リンパ球が大人しくなり、炎症も弱まり、症状も治まるため、治ったと勘違いしてしまうが、炎症はなかなか完全には消えず、気道の敏感な状態は続く。吸入薬を使い続けることで好酸球などが落ち着き、炎症も悪化しなくなるが、吸入薬を勝手にやめると好酸球が暴走状態となり、炎症が再び悪化してしまう。3カ月吸えば炎症はある程度治まるので、かかりつけ医と相談しながら吸っている量を減らしていく。
ぜんそくの治療を続ける秘策が「T」(Time)と「P」(Place)。長年にわたり患者に吸入忘れをなくす指導をしてきた市立大町総合病院の駒瀬裕子さんは(吸入する時間と場所を)自分で見つけることがすごく大事と語った。1日の行動を見直し、できそうな“時間”を考え、嫌でも目につく“場所”に置くことが重要だという。時間(Time)と場所(Place)を考える名付けてTP作戦。症状が改善すると吸入薬を使わなくなってしまうという八尋悟史さんに試してもらった。忘れがちな朝の吸入はすっきりした洗顔後と決め、洗顔料や歯ブラシなどよりも手前に吸入薬を置いた。かつてサボりがちだった皆さんもTPを意識することでせきに悩まず人生を謳歌できるようになったという。八尋さんもTP作戦で1か月の吸入継続に成功し、趣味の音楽ライブもせきに悩まず楽しめるようになった。
ぜんそくの治療を続ける秘策が「T」(Time)と「P」(Place)。長年にわたり患者に吸入忘れをなくす指導をしてきた市立大町総合病院の駒瀬裕子さんは(吸入する時間と場所を)自分で見つけることがすごく大事と語った。1日の行動を見直し、できそうな“時間”を考え、嫌でも目につく“場所”に置くことが重要だという。時間(Time)と場所(Place)を考える名付けてTP作戦。症状が改善すると吸入薬を使わなくなってしまうという八尋悟史さんに試してもらった。忘れがちな朝の吸入はすっきりした洗顔後と決め、洗顔料や歯ブラシなどよりも手前に吸入薬を置いた。かつてサボりがちだった皆さんもTPを意識することでせきに悩まず人生を謳歌できるようになったという。八尋さんもTP作戦で1か月の吸入継続に成功し、趣味の音楽ライブもせきに悩まず楽しめるようになった。
