今32歳の人たちが65歳になった時年金をいくらもらえるのか。きょう出された試算額が夫婦で月21万1000円。厚生労働省がきょう公表した年金制度の5年に一度の定期健診ともいわれる財政検証の結果、出てきたモデルケースの額。年金は20歳から40年間毎月、保険料を納め原則65歳から年金を受け取ることができるという制度だが、今回の推計では将来の年金額が今後目減りしていくという。年金額は現役世代の手取りの半分を上回るようにすると法律で決まっている。今回の試算で厚労省は過去30年のような経済の低い成長が続いたとしても向こう100年は現役の半分を上回る年金を支給することができることが分かったという。この5年で見ていくと働く高齢者や女性が増えて保険料を納める人も増えたので年金財政がより安定したため将来の年金水準が以前よりも改善されているという。もらえる年金額が今後、どうなるのか。国がモデルケースとして示す今年度32歳の会社員と専業主婦の世帯。条件は経済成長がデフレが続いたこれまでの30年と同じ程度で出生率が多少改善したと仮定した場合。これで試算すると会社員と専業主婦の夫婦は退職して年金の受け取りが始まる2057年度つまり65歳の時に年金額は夫婦で月21万1000円。ただ、現在の65歳は月22万6000円もらえるのでその差は月1万5000円。年間にすると18万円も減ることになる。しかも、この試算は出生率が多少、改善し将来、1.36になることを前提としている。ただ、現実は出生率は下がり続けて去年、1.20で過去最低を更新している。こうしたケースも政府は試算しており、それによると先ほどの想定よりも更に将来の年金額が下がる可能性というのもある。