栃木県の主力品種「とちあいか」は近年、生産量が一気に拡大しているが、県外での認知度が低く他地域の品種との差別化が課題となっている。いちごは去年1年間で30以上の品種が新たに登録されるなど各地で生産競争が激化している。生産量全国1位の栃木県で主力品種、とちあいかを味で日本一の品種にしようと取り組む農家を取材した。真岡市のいちご農家、早瀬好人さん。完熟での収穫を徹底するなどおいしいとちあいかを追求しているが課題も感じている。「とちあいか」は病気に強く収穫量も多いことから栃木県の主力品種に成長したが、県外での認知度はまだまだ。早瀬さんはほかの産地のいちごに負けないためには甘さなどおいしさを求めた栽培方法の確立が必要だと感じている。究極においしいとちあいかを育てる。早瀬さんは栽培方法の研究を重ねてきた。実践しているのが花や芽を選別して摘み取ること。収穫量が減っても一つ一つの実を大きく、甘くする。さらに土壌環境を調べて肥料の種類や与える時間も工夫している。温度管理も成長過程に応じてきめ細かく調整する。とちあいかの味を栃木県全体で追求していくべきだと感じている早瀬さん。県内各地の生産者によるおいしさを研究するプロジェクトにも名を連ねている。それぞれが作った自慢のとちあいかの食味コンテストにも参加。各地の生産者とともに切磋琢磨しておいしい栽培方法の確立を目指している。今後も味を突き詰めることでとちあいかの認知度を全国で広め日本一の品種にしたいと話す。早瀬さんのいちごは県のコンテストで1位の最高金賞に次ぐ金賞を獲得した。今後は直売所を増やしておいしいとちあいかをより多くの人に知ってもらう計画だという。