JR東海の丹羽俊介社長が、リニア中央新幹線の着工を認めていない静岡県の鈴木知事と会談し、リニアが開業した場合、東海道新幹線「ひかり」の静岡県内での停車本数を増やしたいという考えを伝えた。JR東海の丹羽俊介社長は30日夕方、静岡県庁を訪れ、鈴木知事と会談。会談は冒頭を除いて非公開で行われたが、終了後に取材に応じた丹羽社長によると、リニアが品川から名古屋まで開業した場合、東海道新幹線「ひかり」の静岡駅と浜松駅の停車本数について、現在のおおむね1時間に1本から2本程度に増やしたいという考えを伝えたという。リニアが開業すれば、新幹線の輸送力に余力が生じるためだとしていて、JR東海がリニア開業後の新幹線の静岡県内での停車本数について具体的に言及したのは初めて。丹羽社長は記者団に対し「こういった方向を示したことで、鈴木知事にメリットとして、よい話として受け止めてもらったと考えている」と述べた。一方、鈴木知事も取材に応じ「県内への経済波及効果は非常に大きくなり、静岡県にとってメリットがないわけではないということで、県民の理解が進むのではないか」と評価した。