アメリカ・カリフォルニア州は、アメリカ産ワインの8割以上を生産している。ワイナリーを経営するクラウスさんは、2008年に、カナダ・ケベック州への輸出をきっかけに創業した。トランプ政権が先月、鉄鋼製品などに25%の関税を課したことなどで、これまで輸入に頼ってきたワインの栓などにかかるコストは、年間200万円以上増える見込みだという。ケベック州向けの在庫は、2000本以上あるが、カナダからの注文はすべて取り消されたという。トランプ政権は、カナダからの輸入品に別の25%の関税を課した。カナダで反米感情が拡大し、ワインを含むアメリカ産の酒の販売を取りやめる動きが相次いでいる。ケベック州向けのワインには特別なラベルを使っていて、他の国や地域への販売は難しいという。クラウスさんは、長年にわたり築き上げてきたカナダのビジネスパートナーとの関係を危惧しているほか、ぶどうの栽培など何年もかけた事業計画も翻弄され、先が見えないことがビジネスとしては一番苦しいという。