2025年4月8日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2025“奇跡の標本” 日韓の昆虫学者が紡いだ100年物語

出演者
辻浩平 藤重博貴 酒井美帆 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像が流れ、スタジオメンバーが挨拶した。

ニュースラインナップ

ニュースラインナップ「トランプ関税 ”世界経済後退リスク”」などを紹介した。

(ニュース)
“トランプ・ショック”に世界は

アメリカのトランプ政権が9日に相互関税を発動させるのを前に全世界で株価が急落している。ドイツのフランクフルト市場では今日一時10%の値下がりを見せ、4日にはニューヨーク市場でダウ平均株価が過去3番目の下落幅となるなど世界経済が混乱している。一方トランプ大統領は「何かを治すのには薬が必要だ」などと話し、相互関税措置が必要なものだと協調した。今回の相互関税措置を受けて中国は対抗措置としてアメリカからの全ての輸入品に相互関税と同じ34%の追加関税を課すとし、一方で台湾は報復関税は行わずに対話によって解決を目指すとするなど各国によって対応が分かれている。

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解説 “トランプ関税” 各国の対応の動き

トランプ関税を巡っては高い関税をかけられたカンボジアとベトナムが注目されていて、カンボジアはアメリカからの輸入品にかけている関税を最大35%から5%に引き下げる用意があるとしている。またベトナムはアメリカからの輸入品にかける関税をゼロにする代わりにベトナムへの関税もゼロにしてほしいとの交渉を持ちかけている。7日にはイスラエルのネタニヤフ首相が訪米し、関税引き下げを求めるとみられている。

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強さの秘密は

去年7月、アメリカで行われた世界最大級の格闘ゲームの大会。世界各国から有力選手が集い熱戦が繰り広げられた。決勝はパキスタン人同士の戦いに。優勝した選手は大会2連覇を達成し、パキスタンの勢いを世界に示す結果となった。パキスタン勢の強さの秘密を探るため、東部の都市ラホールを訪ねた。若者たちが集まるのは地元のゲームセンター。日本・韓国などでは通信環境や家庭用ゲーム機の性能の向上によりオンライン対戦が主流。一方で通信が不安定で経済的理由からゲーム機を持っていない人も多いパキスタンでは、ゲームセンターに集まり、目の前の相手と直接対戦する。夏場は特に停電が多いパキスタン。ゲームセンターには自家発電機が欠かせない。常にゲームができる環境を求め、国内ランキング上位のプロ選手も訪れる。世界レベルの相手と対戦できるだけでなく、直接アドバイスを受けることもできる。ゲームセンターが「道場」のような空間になっており、こうした環境こそがパキスタンをeスポーツの強豪国に押し上げている。eスポーツのプロ選手のムハンマド・ファジーンさん。10歳からゲームセンターで腕を磨き、世界大会で上位に入賞するなど、今注目される選手の1人。パキスタンの平均月収(約2万円)を大きく上回る収入を得ている。ファジーンさんは今も頻繁に地元のゲームセンターに通う。将来有望な若手を見出し、後進に技術を伝えることで、パキスタンのeスポーツをさらに発展させたいと考えている。ファジーンさんが目をかけているのが10歳のムハンマド・ムサ・シェークさん。父親に連れられ、ゲームセンターに通うムサさん。去年、国内のTOP10に入る選手を破り、業界に衝撃を与えた。学校に通いながら世界トップクラスの選手になることを夢見ている。eスポーツに熱い視線が注がれるパキスタン。ゲーム機などの売上も伸びている。パキスタン政府もeスポーツやゲーム関連産業は成長が見込まれるとして後押しする考え。

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Monday Biz
中国 IT大手 AI投資加速

新興企業DeepSeekが低コストで開発した生成AIが注目される中、IT大手の間でAI関連の投資を拡大する動きが加速している。ネット通販最大手「アリババグループ」は生成AI開発やデータセンターなどのAIインフラの整備に今後3年間で3800億人民元(7兆6000億円)を投じる方針を示した。SNS「WeChat」を運営する「テンセント」や動画共有アプリ「TikTok」を運営する「バイトダンス」も巨額の投資計画を発表。中国政府も協力に後押ししており、2030年までにAI技術で世界をリードする水準を目指すとしている。

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船の温室効果ガス削減へ協議

国際海事機関は、船舶から排出される温室効果ガスを2050年頃までに実質ゼロにする目標をおととし採択した。国際海事機関の委員会は、7日から11日まで、本部のあるロンドンで加盟国の代表らによる会合を開く。これまでの議論では、排出量に応じて課金する新たなルールの導入などを検討していて、今回の会合では、具体的な規制ルールが承認される見込み。国際海運による二酸化炭素の排出量は、ドイツ一国分に相当するという。

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ロンドン(イギリス)国際海事機関国際連合
アメリカ “トランプ関税”の波紋

アメリカ・カリフォルニア州は、アメリカ産ワインの8割以上を生産している。ワイナリーを経営するクラウスさんは、2008年に、カナダ・ケベック州への輸出をきっかけに創業した。トランプ政権が先月、鉄鋼製品などに25%の関税を課したことなどで、これまで輸入に頼ってきたワインの栓などにかかるコストは、年間200万円以上増える見込みだという。ケベック州向けの在庫は、2000本以上あるが、カナダからの注文はすべて取り消されたという。トランプ政権は、カナダからの輸入品に別の25%の関税を課した。カナダで反米感情が拡大し、ワインを含むアメリカ産の酒の販売を取りやめる動きが相次いでいる。ケベック州向けのワインには特別なラベルを使っていて、他の国や地域への販売は難しいという。クラウスさんは、長年にわたり築き上げてきたカナダのビジネスパートナーとの関係を危惧しているほか、ぶどうの栽培など何年もかけた事業計画も翻弄され、先が見えないことがビジネスとしては一番苦しいという。

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WOW!The World
ノートルダムの石を手元に

ノートルダム大聖堂のがれきから取り出した石が当たる抽選会がフランスで行われる。準備されたのは50個。文化遺産修復のために最低40ユーロの寄付をした人が参加できる。収益は、劣悪な状態にある1000か所の宗教建造物を救うために使われる。抽選は今月15日、大聖堂が火災に見舞われた日に行われる。

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バチカン フランシスコ教皇 サプライズ登場

肺炎で入院し、2週間前に退院したローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇がバチカンのサン・ピエトロ広場にサプライズ登場。教皇は、車椅子に乗り、酸素チューブをつけていた。集まった人々に挨拶し、良い日曜日と述べた。

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チャールズ王国 珍しい楽器に挑戦

イギリスのチャールズ国王がウィンザー城で珍しい楽器に挑戦。チャールズ国王が演奏したリコーダーは、にんじんでできていて、地域の音楽を支援するために開かれたイベントで、野菜で音楽を奏でるオーケストラのメンバーと共演した。

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アメリカ 希少な赤いダイヤを展示

アメリカのスミソニアン博物館に展示されたのは、2.33カラットのファンシーレッドのダイヤモンド。見つかる確率は2500万分の1と言われる希少な宝石。博物館では、青緑色やピンクなど、珍しい色の40個のダイヤのコレクションを見ることができる。

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(特集)
幻の“チョウの標本” 日本で発見 昆虫学者100年の交流

日本で見つかった標本が移管されたことを記念して、韓国では、ソク・チュミョンの足跡を辿る展示会が開かれた。ソクは、韓国では教科書や絵本に取り上げられ、小学生でも知る存在。今回見つかった標本は、35種129点。いずれも100年近く前にソクが朝鮮半島で採集した標本。標本のなかには、今では採集が難しいチョウなどもある。ソクは、日本の植民地時代の朝鮮半島で育ち、農業を学ぶために17歳で、現在の鹿児島大学農学部の前身に進学した。講義で出会ったのが昆虫学者の岡島銀次。ソクに昆虫学者としての才能を見出していた岡島は、ソクが卒業する際、「朝鮮半島のチョウの研究に着手すべきだ、10年間必死にやってみよ」と声をかけたという。ソクの伝記を書いた専門家は、当時まだ途上にあった朝鮮半島のチョウの研究を現地の人に手掛けてほしいと岡島が考えていたのではないかと指摘する。1922年、朝鮮半島に戻ったソクは、各地で採集したチョウの分類に着手した。1936年10月、九州大学の来訪者の記録にソクの名前があり、九州大学で教授を務めていた昆虫学の大家・江崎悌三のもとを訪れていたとみられる。この日、ソクは江崎の自宅でもチョウの変異について2時間にわたり議論したという記録もある。当時行っていた研究について具体的なアドバイスを受けていた。九州大学で見つかった標本の一部は、このときソクが江崎に寄贈したものだと考えられている。1939年、ソクは最新の知識に基づいて、朝鮮半島のチョウの分類をまとめた本を出版した。序文では、江崎と岡島の名前を挙げ、感謝を綴った。1950年、朝鮮戦争が勃発。ソクが勤めていた博物館も爆撃を受け、ソクの標本はすべて失われた。ソクも混乱のなか41歳で亡くなった。ソクの標本の発見に関わった九州大学の広渡名誉教授は、標本の調査を一緒に行った韓国の研究者たちと共同研究を始めた。韓国ではこれまで調査が行き届いていないガの仲間を調べている。日韓の若い研究者たちも現地調査に加わり、新たな種類も見つかっているという。広渡名誉教授は、共同開発で、日本と韓国に分布するガの形態や遺伝子を比較するなどして、2つの国の昆虫の起源などをより深く理解したいと考えている。今回見つかった標本からは、チョウの保全など新たな研究が始まろうとしている。ヒメシジミは、チェジュ島にある韓国最高峰の山にしか生息しておらず、気候変動で生息域が狭まることが危惧されている。100年前の個体のDNAと現在の個体のDNAを解析・比較することができれば、この100年間に起きた温暖化などの影響がわかり、ヒメシジミを守ることにもつながると期待されているという。

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INTERNATIONAL NEWS REPORT
北朝鮮 国際マラソン大会 6年ぶり開催

朝鮮労働党機関誌「労働新聞」はキム・イルソン主席の国際マラソン大会が開かれたと報じている。開催は2019年以来で中国やエチオピアなどから選手が参加したと伝えられている。新型コロナの拡大以降ヒトの往来を制限してきたが、韓国統一省は今回の開催をきっかけに外国人観光客の受け入れを再開することに懸念を示した。

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(ニュース)
ニューヨーク株式市場 ダウ平均株価 一律1,300ドル超 下落

トランプ政権による相互関税が行われることが懸念され、ニューヨーク株式市場ではダウ平均株価が一時1300ドル超の下落となっている。

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(エンディング)
皆さんの声を募集しています

QRコードからは皆さんの声を募集していると紹介された。

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ドナルド・ジョン・トランプ国際報道 公式ホームページ
あすは

あすは「フィンランド ”ロシアの脅威”に揺れる市民」などのトピックを伝える。

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フィンランドロシア北大西洋条約機構
エンディング

エンディングの挨拶。

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