りそなアセットマネジメント・戸田さんは日経平均予想レンジを38,800~39,300円とし、「最近の日本株はトランプ関税の不透明感や円金利上昇への警戒感から上値が重い状況が続いているが、企業決算を見る限り日本株を取り巻く環境は悪くはないので下値は限定的だと思う」と話した。注目ポイントには「日米株の利益成長とバリュエーション」と挙げ、「TOPIX・S&P500それぞれの1株あたり利益・EPS予想の伸びの推移を見てみると、いずれも堅調で市場全体では業績に陰りは見えない。最近の日米のEPS成長を比較すると、円安・構造改革効果もあり、TOPIXの利益成長がS&P500を上回っていることも確認できる。利益成長では日本企業はアメリカに負けていないが、アメリカ株は最高値圏で推移し強さが目立つ。これはIT企業への期待が強いことや、先々の利下げ期待からPERが拡大してきたことが要因と思われる。PERの逆数で表される益利回りと長期金利を比較することで割安・割高を確認できる。2000年頃まではアメリカ株の益利回りと長期金利はほぼ連動して推移してきたが、その後20年間金利が低下する中、益利回りは高めで推移し株式リスクプレミアムが付く時代=株が債券に比べ割安となっていた。それが最近のPERの拡大=益利回りの低下でプレミアム評価がなくなり、割安感が拡大したこととなる。アメリカ株の益利回りが一定でも長期金利が低下すればプレミアム状態に戻るので割高感は解消する。しかし長期金利の上昇傾向が強い中で益利回りが定位=PERが拡大したままだと利回りの逆転により2000年のITバブル期のように極めて割高と判断されるかもしれない。日本株も90年バブル期は益利回りと長期金利の逆転現象により株価の調整が長引いた。しかしその後は金利に比べ大幅な割安状態が続いているため、多少の金利上昇では割高にならずEPS成長に合わせ株価は底堅く推移すると期待している」と話した。