この冬、災害レベルの大雪に見舞われた青森県で、年金暮らしの人たちの誤算を取材した。1人暮らしの70代女性の家では、これから雪下ろしをする予定だったという。70代女性は2階の部屋から屋根に降りると、慣れた動きで雪の塊をどんどん下ろしていく。今年は大雪のせいで、例年の1.5倍になるペースで雪下ろしをしているという。そして、この冬、雪下ろし以上に誤算だったというのが灯油代で、この大雪で今年は例年の1.5倍に増え、この冬の灯油代は10万円はかかるという。
雪下ろしをしている70代男性(妻と2人暮らし)の誤算は、家が30年近く前に建てた古い設計のため屋根の傾きが少なく雪がたまりやすいため、雪下ろしの回数が他の家に比べて多いことだという。70代男性は「(年金は1か月)15万円ちょっとだけど生活は大変だね」と話す。一方、70代男性(1人暮らし)が住む築50年の家では、この大雪で経年劣化の実害が起きていた。隣に建つ物置小屋は長年の雪の重みで傾き、危険な状態。近所の住民から以前、「危険だ」と警察に通報されたという。しかし、70代男性は「若い巡査と2人で警告に来たわけ。警告に来たって直す金もないし」と話す。
青森市から車で1時間半のところにある災害救助法が適用になった弘前市にも大誤算を経験した人がいた。それは、りんご農家の小山内さん(72歳)で、1か月の年金は6万8000円。りんご農家を続ける大きな理由について、小山内さんは「うちの娘も死に物狂いで子供を育てているもんな。なんぼかでも、かんぱしてあげないと」と話し、同居するシングルマザーの娘とその孫たちのためだという。この日は秋の収穫に向けた仕事始めの日で、およそ900本のりんごの木がある畑に向かう小山内さん。ところが畑に入ると、“高級りんご”ふじの木の枝が、雪の重みで途中から大きく割れていた。この木だけで400個のりんご、およそ10万円分の損害になるという。さらに、その隣には通常の木より早く実をつける栽培で育ったりんごの木の枝が、雪の影響を受けて折れていた。こういった被害が全体の3割にも及んでいるという。そして、弘前市内のりんご農家の多くが同じような被害に遭っているという。
雪下ろしをしている70代男性(妻と2人暮らし)の誤算は、家が30年近く前に建てた古い設計のため屋根の傾きが少なく雪がたまりやすいため、雪下ろしの回数が他の家に比べて多いことだという。70代男性は「(年金は1か月)15万円ちょっとだけど生活は大変だね」と話す。一方、70代男性(1人暮らし)が住む築50年の家では、この大雪で経年劣化の実害が起きていた。隣に建つ物置小屋は長年の雪の重みで傾き、危険な状態。近所の住民から以前、「危険だ」と警察に通報されたという。しかし、70代男性は「若い巡査と2人で警告に来たわけ。警告に来たって直す金もないし」と話す。
青森市から車で1時間半のところにある災害救助法が適用になった弘前市にも大誤算を経験した人がいた。それは、りんご農家の小山内さん(72歳)で、1か月の年金は6万8000円。りんご農家を続ける大きな理由について、小山内さんは「うちの娘も死に物狂いで子供を育てているもんな。なんぼかでも、かんぱしてあげないと」と話し、同居するシングルマザーの娘とその孫たちのためだという。この日は秋の収穫に向けた仕事始めの日で、およそ900本のりんごの木がある畑に向かう小山内さん。ところが畑に入ると、“高級りんご”ふじの木の枝が、雪の重みで途中から大きく割れていた。この木だけで400個のりんご、およそ10万円分の損害になるという。さらに、その隣には通常の木より早く実をつける栽培で育ったりんごの木の枝が、雪の影響を受けて折れていた。こういった被害が全体の3割にも及んでいるという。そして、弘前市内のりんご農家の多くが同じような被害に遭っているという。