衆議院の解散を受けて各党は事実上の選挙戦に入り、来週15日の公示に向けて候補者擁立の詰めの作業を進めている。自民党はおとといの選挙対策本部の会合で、全国に289ある小選挙区のうち265の選挙区で第1次の公認候補の擁立を決めた。公明党が擁立を決めている11の選挙区を合わせて、276の選挙区で擁立を終えたことになる。一方、これまでに自民党は、政治資金収支報告書に収入を記載していなかった12人を非公認とすることを決めたが、対立候補の擁立は見送ることにしている。自民、公明両党は、各選挙区で選挙協力を進め、比例代表と合わせて過半数の233議席を確保し、連立政権の維持を目指すことにしている。これに対し、野党側は、きのうまでに立憲民主党が208、日本維新の会が162、共産党が216、国民民主党が41、れいわ新選組が20、社民党が10、参政党が85の選挙区で擁立を決めている。立憲民主党の野田代表は、与党を過半数割れに追い込みたいとして各党に一本化を呼びかけているが合意には至っていない。複数の野党候補が立候補する選挙区は全体のおよそ9割に上る見通しで、このうち立憲民主党は維新の会と共産党それぞれと、100以上の選挙区で競合している。このため立憲民主党は、不記載があった自民党の候補などが立候補を予定している選挙区を中心に候補者調整を進めたい考え。来週に公示が迫り小選挙区の構図がほぼ固まりつつある中、どこまで野党間の連携が図られるかが焦点となっている。