イギリスの北アイルランドで2年ぶりに自治政府が発足して、アイルランドとの統一を掲げるカトリック系の政党から初めてとなるオニール首相が就任した。首相は歴史的に対立してきたプロテスタント系の政党などと協力する姿勢を強調した。北アイルランドではイギリスからの分離を求めるカトリック系住民と分離に反対するプロテスタント住民との30年以上にわたる激しい対立のあと、1998年の和平合意に基づき、双方を代表する政党が共同で自治政府を運営してきた。このうちDUPはスナク政権の法整備を受けて連立協議に復帰して、2年ぶりに自治政府が発足した。シン・フェイン党は過去に過激派組織「IRA」の政治部門が前身で、イギリス国王への忠誠を拒否する立場からロンドンの議会には出席しておらず、今後スナク政権との関係を含め自治政府の運営が注目される。