1597年にフェルナンデスと主人をのせた船はフィリピンからメキシコへ。距離は1万キロ以上で、目的地はアカプルコ。太平洋貿易の拠点として栄えた港町で近年この町は犯罪組織が活発化に活動していて観光客を護るために治安対策を強化している。向かったのは大航海時代に海賊から貿易船を守るために築かれたサンディエゴ要塞。空からみると星のような形で至る所に大砲があり鉄壁のまもりとなっている。要塞の内部は航海の歴史を学べる博物館。スペインの貿易船のガレオン船の模型があるが嵐に耐える頑丈な船体と風をうける巨大なマストが。しかし最先端の船でも太平洋横断は命がけだったという。ハリケーン以外にも病気も問題でその中でも壊血病が恐れられていた。ビタミン不足で出血し、多くの命が奪われていった。主人とともにメキシコに護送されたフェルナンデスだったがその中でアカプルコまで後二日と迫った中でペレスが命を落とした。天涯孤独の身でメキシコに到着したフェルナンデスは異端審問所に突然連行された。この時水面下で恐るべき陰謀が起こっていた。主人ペレスの没収財産の記録では、勝手に書き換えられフェルナンデスは終身奴隷となってしまった。新たな買い手となった人物は残酷でフェルナンデスは虐待を受け2年も過酷な日々を過ごしていたという。