ロシアの資金流入で…地中海のリゾート地が分断。地中海に浮かぶキプロス共和国。EU加盟国で四国の半分ほどの大きさの島に約125万人が暮らす。リゾート地として有名で、ある調査では世界で3番目に旅行先として安全な国とされている。首都ニコシアには鉄条網で覆われたフェンスがあり、看板には”国連による緩衝地域”と書かれている。キプロス紛争による事態の深刻化を防ぐため国連が東西に全長約180kmの緩衝地帯を設置。現在も国連の平和維持軍が監視する世界で唯一分断された首都を持つ国となった。街の中にある南部の検問所。そこを超え北部に入ると北キプロス・トルコ共和国、トルコ以外は国家として認めていない未承認国家となっている。トルコの通貨が流通。約40万人が住んでいるが南部と比べ経済発展が遅れている。ウクライナ侵攻後、ロシアからの移民が増えたという。北キプロスは関係が深いトルコ同様、欧米が進める経済制裁に加わっていない。そのためロシアから数万人単位で移住するという話もあり、北キプロスは今”地中海のモスクワ”とも言われている。北キプロスのタタール大統領によると海外からの投資は犯罪歴などを調べて安全性を確保しているという。島の南部にはイギリス空軍の基地がありフーシ派掃討作戦の前線基地となっている。対する北キプロスはガザ進行を非難。去年、南部のキプロス共和国でロシアの文化を紹介する建物が火災被害に。関係者は火炎瓶を投げ込まれたと主張するも、現在も火災の原因は不明。第二次大戦後、ソ連と西側諸国の対立を鉄のカーテンと例えたような分断が地中海のリゾート地で起きつつある。