能登半島地震の発生からまもなく8か月。石川県七尾湾に浮かぶ能登島には多くの倒壊した家屋がそのままの状態で残っている。能登島と半島をつなぐ2つの橋のうちの1つがいまだ通行止めになっていて、インフラ復旧が大幅に遅れている。石川県によると橋の通行再開までは1年以上本格的な復旧には3年程度かかるという。そんななか先月20日、七尾市にあるのとじま水族館がおよそ半年ぶりに一部営業を再開した。再開を心待ちにしていた客でにぎわいを見せる一方、のとじま水族館には多くの課題が残っている。地震によって天井が落下。断水に加え水を循環させる装置や配管が壊れてしまい、飼育していた3割のおよそ4000匹が死んでしまった。生き残った大型のイルカやアシカなどを安全に飼育するのも困難な状況。全国の水族館、動物園に協力を仰ぎ、現在も避難させたままになっている。能登島周辺の観光業に客足は戻っておらず水族館を訪れる人は例年の3割程度。大人気のイルカショーはできず、節電、節水でなんとか営業を続けている状況。今、一番の癒やしの存在となっているのがマゼランペンギン。ペンギンも36羽が県外に避難しているが営業再開に合わせ近隣の水族館に避難していた16羽が戻ってきたが、遠方の施設に避難したペンギンは戻れる時期がまだ決まっていない。東京・すみだ水族館にも、のとじま水族館のマゼランペンギンたちがいる。一般公開はされていないが、開館前に館内を散歩したりしていた。水族館ではペンギンの様子を撮影した動画を送るなどしてお互いに情報を共有しているという。