アパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃されて以降30年にわたって政権を維持してきたANC・アフリカ民族会議が第1党の座を維持したものの議会で400議席中159議席と初めて過半数を割り込んだ。汚職のまん延や経済の低迷それに治安の悪化などに国民の不満が高まりその結果、支持を失った。下院での議席割合はANCがおよそ40%、民主同盟が22%、MK党が15%。ラマポーザ大統領は有権者のメッセージを受け止めて対応に協力するべきであり政党間で一致するところを探そうと言って連立政権に向けた準備をにおわせた。ラマポーザ大統領はANCの立場を守りつつも、南アフリカの元首として未知の領域への道筋をつける立場にもある。第2党になった実業界寄りの民主同盟は市場自由化を掲げているが白人重視の党というイメージを振り払えずにいる。ズマ前大統領はMK党を新設し、汚職まみれの汚名から異例の復活を見せた。ヨハネスブルグの若者は不確実な将来に直面し最も影響を受けることになる世代。失業率は50%近くある。