重見吉徳さんがテーマ「(アメリカの)もうひとつの年内リスク」について解説。重見さんは、大統領選ともうひとつリスクがあるとのべ、ここから年末にかけてレポ金利と呼ばれる金融市場でも最も重要な金利といっていい金利が急上昇するリスクがあると考えていると解説。レポ金利は、有担保の貸借金利(期間:翌日物~数カ月、数年、担保:有価証券)。フェデラル・ファンド金利よりもレポ金利のほうが規模的に遥かに大きい市場だとし、レポ市場の貸し手側は米銀や海外中銀、借り手側は証券会社やヘッジファンドなど。有価証券がレポ取引により資金調達されているためレポ市場は資本市場の根幹をなすものとも考えられる。またレポ取引は元手がなくても有価証券に投資できるため、ヘッジファンドやドル預金が少ない外国銀行が頻繁に常用するような取引になる。そうすると、レポ金利は利上げや量的引き締めが進むにつれ一時的ではあるが誘導レンジを上抜けすることもあり、レポ市場での資金需給が引き締まってきている。この要因としては、需給面ではアメリカ国債の発行が増えている状況で、その国債を保有しているのはヘッジファンドや証券会社。MMFのポートフォリオに占めるレポ与信の割合を見ると最高水準のシェアになっている。MMFにとってのポートフォリオの分散という点での問題が今出てきている状況。将来のリスクというのはインフレ懸念ではないかと思っているなどと解説した。