3万人もの命が失われた激戦地・硫黄島に、あす天皇皇后両陛下が訪れる。島民だった男性が取材に応じ、戦争に翻弄された日々を振り返った。89歳の男性は、硫黄島で生まれた。小笠原諸島にある硫黄島は、太平洋戦争の激戦地今は自衛隊が管理していて、一般の人が立ち入ることはできない。ただかつては約1100人の島民が暮らし、男性も8歳まで島で育った。その暮らしを変えたのが戦争だった。空襲が激しさを増し、島民は強制的に本州に疎開させられる。ただ軍を支援するため多くの男性は島に残ることに。男性の父もその1人だった。男性が島を離れる日、それは父との別れの日。その7か月後、アメリカ軍が島に押し寄せる。上陸作戦が始まった。国内で最初の陸上戦闘。地下ごうを掘って戦う日本軍をアメリカ軍は火炎放射器などで追い詰めていく。日本兵2万1900人、アメリカ兵6821人、計3万人近くの命が失われた。島に残った島民82人も亡くなった。