派閥は選挙資金などの「カネ」、国政選挙における「公認権」、閣僚などの「ポスト」、「総裁選」の票の取りまとめの4つの役割を果たしてきた。日本の総理大臣は与党自民党の総裁が就任する事が多く、総裁は自民党議員が選出するため派閥などができやすい状況にある。アメリカの大統領は週ごとに国民が選挙人を選んで選出するため派閥などはできづらい。かつて日本でも「首相公選制」が議論に上がったことがある。2001年に小泉純一郎さんが導入を掲げて私的諮問機関を設置し、2002年の8月には諮問機関が報告書を提出したが、2004年1月に「憲法改正をしないと首相公選制はできない」と議論は立ち消えになった。さらに、日本では参議院と衆議院など選挙のタイミングが違うのでお互いに助け合うことが可能になるため、派閥に入っていたほうが助けてもらえる可能性が高まるという。アメリカでは上院・下院の選挙と大統領選が同日に行われるため互助にも限界があるという。末延さんは「小選挙区制を導入した当時の河野洋平は失敗だったと話している。日本の政治を民主的に機能させるには誰がどう民意を反映できるのか、我々が主権者の意識を持つことができる制度改革を一歩ずつやることが必要。国会で委員会を決めて腰を据えてやってほしい」とコメントした。アメリカでは二大政党が定着しているので派閥で争っている場合ではなく、政党が一丸となって争っていることも日米での大きな違いだという。中林教授は「日本は選挙が多すぎる。整理したほうがいい」などと述べた。末延さんは「選挙制度審議会がまだ存在していて、岸田さんが使う気ならすぐやれる」と話した。アメリカでは補佐官給与など政策作成のための資金は国から本人に直接支給されるため、人件費などを含めて政治家が関与せず透明性が保たれている。文房具なども国を通して注文し現物を受け取ることになっているという。